移民飯・中華編

みなさまご機嫌麗しう。こちらは初冬のブルックリンです。

先日ごくらく亭さんのイベント出店があり、そちらでアメリカのビンテージアクセサリーを初登場させていただいたのですが、当日いらっしゃったお客様から大変ご好評を頂いたという報告をごくらく亭さんからいただきました。正直ハタもびっくりするくらいお買い上げいただいたそうで。お買い求めいただいた皆様に篤く御礼申し上げます。機会があれば今後ともごくらく亭さんとのコラボで続けていきたいと思っておりますので、今後とも宜しくお願いいたします。


という事で。先日家人のシンガポール時代の知人がこちらに来られましたので、晩御飯をご一緒したのですが。その方は今は日本でお仕事をしておられるので、日本語を勉強しながら日本の音楽を聴いておられるそうで、「水曜日のカンパネラ」が好き、とおっしゃってたのが印象的でした。そうか、そっち系ですか、と思いながらハタはその方にレキシをお勧めしておきましたが、ハタの選択は正しかったのでしょうか。ロマンポルシェ。とかお勧めしなかっただけハタも随分大人になったような気がするんですけど、でもまだやっぱり間違っているような気がします。


でまあ、そうかー、Jpopかー、最近ほとんど聞いてねえなー、と思いながらここ数日はJpopを聞いているわけでね。いいですよねーJpop。ハタも大好きです。ハタの最近のお気に入りは神楽坂はん子っていうんですけど。

以前から歌詞の素晴らしさに一人でヤられてたんですよね。だって歌い出しが

「貴方のリードで島田も揺れる」ですよ。


島田を揺らせられる旦那って相当ですよ(意味不明)

今のJpopのやたらと文字数の多い歌詞から比較すると極端に文字数は少ないのに、聞いているだけで状況が完璧に理解できるという素晴らしい歌詞。調べてみたら西條八十の作詞。詩人だけあって言葉の選び方がさすがだなあと改めて感嘆した次第です。


でまあ、今日も事務所でちまちまと作業をしつつ、お昼になったのでお昼ご飯を食べに。

芸者ワルツを口ずさみながら冬のブルックリンの街を歩きます。


海外在住者のブログとかってなんかいっつもキラキラしてるじゃないですか?オシャレなレストランとかでワインを傾けてたり海辺で我が子を戯れさせてみたり。ニューヨークの駐在さんの奥様とかのブログとか、もうそれは華やかで。ああいうおゴージャスな世界というのもあるのはあるんでしょうけど、まああれは虚栄の街のお話でして。リアルな姿とはちょっとちがう。





まぶっちゃけこんな感じですよリアルなブルックリンは。

でまあ、そんな駐在様なんかが絶対に行かないようなお店に好んで行くのがハタなんですね。まあ駐在様みたいなキラキラした人生生きてないですし。おしゃれ飯なんて日本で食ったらニューヨークの半分以下で食えるわ、と思ったらさして食べたいとも思いません。で、敷居が高くて値段の割には味もたいした事ねーし親の仇を討つ勢いで焼き締めた肉しか出てこないし味付けだってケチャップかマスタードの2択でしょ?って思うとよほどのことがない限り白人おしゃれ飯に食指が動くことはなく

ってなったらどこに行くの?って話なんですけど、

ハタ的には当然こっちです。


荒れた工場街のど真ん中にポツンとある台湾料理屋さん。ハタが勝手に「移民飯」とカテゴライズするジャンルです。要するに、移民第一世代が生きるために食うローカル飯ですね。

もともとお金があってアメリカにやってきたわけではなく、アメリカに着いた段階で命以外はほとんど何も持ってなかった、そういう人たちが異国の地で根を張って生きていくためのサバイバル飯とも言えます。そこにはおしゃれなレストランでの食事のような繊細さやファンシーさはありませんが、移民大国であるアメリカの庶民のリアルな姿が隠れています。


中ではおばあちゃんが元気に切り盛りをされております。見た目的にはアメリカにある典型的な安くてまずい中華料理屋なんですが、こちらはそういうしょぼ中華から比較すると段違いに美味しい。皆さんにお伝えしたいんですが、アメリカの場合中華街の外にある中華は本当に不味いんですよ。ここのお店は繊細さや派手さはないけれども、日常のお食事としては十分に美味しいクラス。



お客さんも基本的には近隣で働いている工場労働者かその近辺でスタジオを構えている若いアーティストか、とにかくお金とおしゃれの匂いは全くしませんおばあちゃんの味を求めてたくさんの人がお昼ご飯を食べにやってきます。

品数も常時10品以上準備。アメリカのおしゃれ飯は基本白人の食生活がベースなので、肉なら肉、野菜なら野菜のみ(しかも生)、と割と極端に走る傾向があり、日本人の食生活からすると割とフラストレーションが溜まるケースが多いのですが、こちらは流石のアジア飯。野菜とお肉がバランスよく1食に収まります。本日は焼きそばに揚げ豆腐の煮物、かぼちゃ、豚の甘酢をチョイス。メキシコ人のおばちゃんが豪快に盛ってくれます。



これで飲み物がついて6ドル。ニューヨークでこの値段はちょっとありえません。近所のくそおされなカフェーでしょーもないカフェラテを頼んでも5ドルは取られるのに、このボリュームで6ドル。見た目無視、味は家庭的、お値段はお手頃。まさに労働者の味方です。あまりの安さに「えっ本当に6ドルでいいの?」っておばあちゃんに聞いたら、「あら、もっと払ってくれてもいいのよ」と笑って答えてくれるあたり、おばあちゃんなかなかの遣り手ですね、と。




近隣を観察しているとどうやらこの辺は中華街があるわけではないのですが、工場で華人の労働者がたくさん働いておられるらしく、その辺の需要を見込んだ上でのお商売、ということのようです。そういう周囲の環境と密接に結びついているのも移民飯の面白いところです。実際お客さんの半分くらいは華人ですが、メキシコ人や白人のおっちゃんも普通に食べにきているので、地元に広く愛されているお店とも言えます。

上を見ればいくらでも上があって、下にはいくらでも下がある、それが格差社会のアメリカの現実。ありがたいことに在米邦人のほとんどはアメリカ国内では比較的安定した社会的地位におられることが多く、そこから見えるニューヨークでの暮らしはこうしたアメリカの「庶民」の代表である移民第一世代の姿はほとんど見えてこないように思います。ですが実際はこうした英語もおぼつかない移民がアメリカを支えているというのもまた一つの現実です。国や民族を超えて慎ましくも逞しく生きるアメリカの庶民のリアルな姿がこのお店にはあります。


ごくらく亭出店情報

11月20日(水)人生カレー@フェスタ京町掘(大阪市西区)

11月28日(木)13時半~ 松江護国神社参拝正式の会→参加者大募集中!

12月1日(日)9時半~16時 竹矢もんの手仕事足仕事@坂口や(松江市武内神社入口)

12月8日(日)10時~ 佐田町フリーマーケット@佐田スポーツセンター

12月31日23時~ 年越しごくらく亭










このブログをお友達に教えて、お友達も綺麗にしてあげましょう。イオナ。私は美しい。