これは暗い日曜日。惜しい。
と言うことでみなさまご機嫌麗しう。
こちらも随分寒くなってたブルックリンです。みなさまいかがお過ごしでしょうか。いかがお過ごしでしょうか、と言われても普通に暮らしてるわボケ、くらいのお返事をいただくのが正直なところだとは思いますが、こちらはついに狂気のクリスマスシーズン到来です。
あれ?先週はサンクスギビングだったじゃないの?まだあるの?とお思いの皆さん。
そうなんです。サンクスギビングはあくまでもクリスマスというその壮大な物語の序章にしか過ぎません。アメリカ人的にはサンクスギビングが終わる=クリスマスという険しくも崇高な頂きへの登攀開始。頂点を極めるためには果てしない道のりが続くのです。
まずはサンクスギビングの次の日はいわゆるブラック・フライデーがやってきます。アメリカにおける冬のセールスシーズン開始日。調べてみるとブラック・フライデーという言葉自体が最初に使われたのは1864年だったそうですが、この時はお買い物デーという意味ではなく金相場が大暴落した日、ということで全然楽しそうではありません。ブラック・フライデーという言葉がサンクスギビングの翌日のお買い物解禁日、という意味合いになったのは比較的最近のことで、1952年とのこと。アメリカ人が豊かになっていく中、消費行動が大きく発展した時代。そういう意味ではある意味アメリカの豊かさを象徴した日だったのかもしれません。とはいえ実際に今のように大騒ぎになるようになったのは2005年以降、ということで、イベントそのものとしてはつい最近始まったばかりのようです。
でまあ、21世紀になり、時代も進歩して現代のブラック・フライデーに何が行われるか、と言われましたら。
アメリカ中でカジュアルな暴動が起こります。
正直そこまでして買わんといかんとあかんものがアメリカにあるのか?と思いますが、例えば大画面のテレビなんかはでっかいアメリカの家だといかにも見栄えがするでしょうし、やっぱり安ければ嬉しいに越したことはない。それはまあ分かるんですけど、だからと言ってこの渦の中に入って買い物しようという気は全く起こりません。しかもまあだいたいブラック・フライデーでセールを大々的にやるお店ってほとんどがアメリカ中にどこにでもある平均的なお店ばかり。ぶっちゃけ質は悪い。逆に本当にお高いお店とかがブラック・フライデーでセールしてるのとか見たことないわけですね。いや、もし不動産がブラック・フライデーで2割引!とかだったらこの修羅の群れに身を投じる価値もあるかもしれませんが、正直そこまでして北斗の拳の世紀末みたいなお買い物をしたいとは思わない。実際こういう動画を家人に見せると、
「まあ、南部の田舎ばっかりだよね」
とのこと。地味に田舎のアメリカ人をdisっていますが、そういうお前も砂漠でサン・ティー作ってたやろ、と。
まあ、ハタ的にはサンクスギビング明けのこのブラック・フライデーがどのくらいひどかったかを確認するのが毎年の楽しみなわけです。まああれですね。三が日の新聞でついつい餅で召された人の数を確認してしまったり、成人式で今年はどこの地方が一番アレだったかをついつい調べてしまう、とか、そういう感じです。成人式に関していえばここ最近は北九州がアツい。
世界遺産クラス。
で、まあ、「今年はどんな大惨事が?」とワクワクしながらニュースを探すわけです。
ニュースによっては「今年のブラック・フライデーは大きな混乱もなく多くのお客さんで賑わいました」みたいなのが流れるんですが、違う、そうじゃないの、と。ハタが求めるのは煩悩に塗れた欲の獣たちが荒々しく安っぽいテレビだのブラだのを奪い合うその姿!
なんて破廉恥な!もっとお願いします(大興奮)!
今年はビクトリアズ・シークレットが割とひどかったようです。
押し寄せる煩悩の津波にあっという間に飲み込まれる店員さん。
迷わず成仏してください(合掌)
まあ95ドルだった商品が35ドルになった、ということでお客さんが殺到したそうですが、殺到する前に「それってもともと安物を高く売ってるだけなのでは?」と冷静に判断してしまう人はこのブラック・フライデーにはそもそも向いていないように思います。そう、アメリカのブラック・フライデーの修羅の地にその身を投じる勇者にはそんな冷静な判断は不必要。ただひだすらむき出しの煩悩と所有欲に身を委ね、狩の本能を目覚めさせた者だけがこの戦いに勝つことができるのです。!いざ向かえ勇者よ!向かいくる敵をなぎ払い、勝利(サムスンのテレビ)を掴むのだ!
え?ハタですか?
もうちょっとしたらもっと安くなるのでそれまで待ちます。
慌てる乞食はもらいが少ない、とはよく言ったもので。
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