皆さまご機嫌麗しう。そろそろ本格的な冬到来。皆さまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。まあうっかりタイミングを逃してしまったのでお伝えするのを忘れていたのですが、こちらでは先日遂に初雪が降りまして。まあせいぜい積もって2センチほどで、朝になったらすぐに溶けましたが、それでも車の屋根の上にはしっかりと雪が残っておりました。
まあサンクスギビングの頃から今までアメリカのクリスマスのネタを引っ張ってはいるのですが、よくよく考えたらここしばらくはあまりクリスマス的なことをした記憶がない。まあ、家人がシンガポール出張から帰って来た去年から割と腰を据えてニューヨークにおりますが、それまでは正直この時期にアメリカ国内にいることが少なかった、と。まあ、どこにいたか?って言われたら基本的にはシンガポールおよびその近辺だったわけですが。なので正直クリスマス的なイベントかがどこかで発生しているはずなのに、それを体験したぞ、という記憶があまりない。まあ日本人的には気温が30度超えてる時にジングルベルとか言われても正直ピンとこないですしねえ。
で、シンガポールのクリスマス。
暑い。
まあそりゃあほぼ赤道直下ですから、とりあえず暑い&日没が遅い。気温は日中は常に32度前後。とは言え不思議なことに34度以上に上がるという事はほとんどなく、基本29〜32度を推移するのみです。そして日没。日本人の感覚だと、クリスマスはやはり寒くて少し薄暗いイメージ、という感じですよね、と。当然冬至にも近いわけですし日没も早い。ですが赤道直下のシンガポールではそういう日没時間の変化が年間を通じてものすごく少ないわけですね。だいたい7時半くらいまでは明るい。なので季節の移ろいとかそういうものは全くありません。季節の移ろいがあるとすれば「雨季」と「乾季」ですが、それですら地元の人に聞いてもどの時期が雨季なのかすらはっきりせず。
クリスマスはまあ一応は欧米キリスト教圏のイベント。基本冬のイベント、というのが北半球の人間の感覚。となるとシンガポールの皆さんはクリスマスはどうするの?ということになるんですが。まあ、基本自助努力でなんとかするという方向に向かわざるを得ません。雪が絶対降らない国のクリスマス、とはこれいかに?
とりあえず電飾で気分を盛り上げる。
これはシンガポールで一番の繁華街、オーチャードエリア。近代的な派手派手の建物に有名ブランドのお店がひしめきあう、シンガポールで一番華やかなエリアです。いやー去年までこの動画に映ってる場所をうろうろしてたなー、と思うと感慨深いですねえ。まあ本当に華やかなエリアでおグッチ様とかおシャネル様とかがずらっと並んでるんですけど、まあ別にそんなの日本でも売ってるし、ねえ?みたいな感じでこれと言ってシンガポール独自の何かがある、というわけではありません。まあ日本の銀座とか、あの辺の高級ショッピング街に近いのかなー、と思いますが、ハタ、銀座に行ったことがないのでよくわかりません。
とは言えこの時期の狂ったテンションには理由があります。
クリスマスが終わると日本はお正月。日本人的にはお正月が本番で、ヨーロッパ・アメリカ圏はクリスマスが本番。なのでお正月が過ぎてしまえばある程度この高いテンションは収束します。ところがシンガポール。もうお分かりかとは思いますが、基本華人文化圏なのでシンガポール華人の本番は旧正月なのです。旧正月はだいたい2月頃。ということで必然的に
12月から2月の旧正月まで祝いっぱなし。
旧正月が本番だから、クリスマスと正月は軽く済ませましょう、という強弱もつけようと思えば可能だとは思いますが、さすが華人はそういう微妙な強弱は一切お構いなくぐいぐいとこの時期のイベントを消化していきます。クリスマスで大騒ぎ、お正月には花火を打ち上げ、そしてそこでようやく旧正月への本気スイッチが入ります。
しかもクリスマス時期に先んじてヒンドゥー教のお祭りであるディーパーバリや状況によってはイスラム教徒のラマダン明け辺りが重なったりして、実質上9月のシンガポールグランプリから2月の旧正月までずっとテンションが高い、という凄まじい状況になったりします。シンガポールの景気がよく見えるのはこういう謎のテンションを維持しているというのも理由の一つかもしれない、と常々思っております。景気は気から。
2016年12月撮影。行き場のない謎のテンションが鶏の形となり爆発しています。12月の段階でもうすでに旧正月のデコレーションがスタート、ということでやはりこの2ヶ月間はとりあえずめでたい、ということになるわけです。
こちらも2016年のクリスマス直後の中華街。もうすでにシンガポール華人のやる気は来るべき旧正月に向けて注がれていました。というかクリスマスの形跡がない。
まあアメリカ人などの西欧の人間が日本のクリスマスの大騒ぎを眺めた時に「こいつらクリスマスを誤解してやがる」と言われることがままあるわけです。アメリカ人にとってはクリスマスはあくまでも家族との時間を過ごす厳かなイベントな訳でして、日本の昔のバブルみたいにクリスマスイブにラブホが全部予約で埋まる、みたいな性なるイベントになってしまうのは流石に如何かと思う、というのが正直なところのようですが、まあその誤解というか拡大解釈っぷりはシンガポールも負けず劣らずなかなかにすごいのでは、と思っております。なんたって国の結構な割合の人間がキリスト教徒でもないのになんとなく波に飲まれてクリスマスにお買い物をしてしまう、という状況は日本とさして変わりありません。案外華人でも仏教徒が多いんですよね、シンガポール。イスラム教徒がほとんどのマレー系の人もそこまで原理主義な人は少ないのでクリスマスを俺たちに押し付けるな、とか、そんな事をいうわけでもなく、みなさん適当に楽しんでいらっしゃいます。
とは言えそのクリスマスも結局は本番の旧正月を全力で祝うためのスタートラインにしか過ぎないのですが。シンガポール、ある意味世界最強の華人国家だと思います。
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