未知との遭遇

(ザ・LAな感じだけど実はタイ人街)

皆さまご機嫌麗しう。秋深まる中皆さまいかがお過ごしでしょうか。

こちらは先週末より6日ほどロサンゼルスにおりました。皆さんご存知ないかとは思いますが、ロサンゼルスで一番暑い時期は10月。秋深まるニューヨークから常夏の国への旅でございました。

でまあ、何しに行ったか、って言われたら、色々あるんですが、メインイベントは家人の古い友人の結婚式。



(掲載許可取ってるわけじゃないのでうすぼんやりとお伝えします)

海岸のビーチに面した小さなレストランでのお食事会。ええ、おしゃれに聞こえますけど、そんな場でエスプリの効いた会話を英語でさらっとできるようなハタでございませんことよ。何の共通点もない異文化の人間と母国語と異なる言葉で腹の探り合い。正直軽い地獄です。向こうが気を遣って日本のネタを振ってくれたりしてさらに恐縮しまくりでもういたたまれない。途中から会話するのを放棄しつつ結婚式カメラマンに転身。いやー、学生時代にやってたんですよね、結婚式カメラマン。10年ぶりくらいにちょっと復活させてみた感じですが、これならもし食いっぱぐれて日本に帰っても雇ってくれる人がいるかも、と思えるなかなかの出来でございました。

ということで戻ってきたぞロサンゼルス。青い空にヤシの木が茂るいかにも、なカリフォルニアの風景の中、万難を排してでもやるべきことがございます。あそこに詣でなければ。そう、全米の音楽オタが集合するあの聖地。あのハリウッドに燦然と輝く、



(礼拝せよ、そして崇めよ)

音楽の殿堂、そして音楽オタの聖地、Amoeba Musicへ!

思い起こせば10年近く前。ハタはロサンゼルスで生活しておりました。そしてぶっちゃけロサンゼルスに全く興味がなかった。

普通みなさん海外生活ってそれなりに憧れの場所に行くじゃないですか?ハタ、ロサンゼルスが自分にとって世界で一番遠い場所だと思っていました。だってハリウッドだのセレブだの、●悪そうな感じの●●が山盛りで見てるだけでうぜえ。ついでにハリウッド映画が嫌い。誰が行くかこんな場所、って思ってたんですよねえ。それが何の因果かこんな場所に車なしで5年も。で、実際住んでみたら噂の斜め上を飛び越えるヒドさだったんですけどね。

でまあそんなハタの荒んだ心を唯一癒してくれていたのがこのアメーバ・ミュージックでした。

さあカバンをお店入り口の怖いお兄さんに預けていざ入店!


ああ、、、海が見える、、、

この膨大な情報の海を泳いでこそのオタというものですよおっしゃ生きる気がしてきた(発狂)!

ちなみに自分の好きな音楽がどのエリアのどのコーナーにあるか、というのを把握するだけで結構な時間がかかります。ここにきて自分の好きなミュージシャンをすぐに探し出せる人は相当の常連さん。1回や2回行ったくらいではまず把握できません。自分の探すアーティストが、どのジャンルに属してアルファベットの何番めだからあの3番目の棚の真ん中か、、、というのが頭にビシッと入ってない限りここはただの迷宮です。そして新譜だろうが旧譜だろうが関係なく同時並列。しかも流通していくスピードが半端なく早い。なので、「このアーティストのあれが欲しい」と思って行くと絶対見つかりません。その代わり「あれ、これ買ってねーな」とか、「あれ、このアルバムメキシコ版あるんだ!」みたいな買うつもりのなかったもののやたらと魅惑の物件が視界にバンバン入ってくる、というまさにオタ仕様のお店です。ここで出会った数々の未知の音楽にハタはどれだけ救われたことか。10年前誰も知らなかったバルカン音楽を追いかけることができたのはひとえにこのお店の圧倒的な情報量にありました。

そんな過去を懐かしみつつ本日もハタはこの広大な情報の海を泳ぎます。




実験音楽・ノイズ・現代音楽のコーナー。ハタの常駐先の一つ。お母さん帰ってきたよー(号泣)

まあロックやポップスの棚を漁るのであれば基本ほとんどのCDはお店のデータベース上で視聴が可能、になりましたが、

10年前はそんなシステムは存在しておらず。なので基本全て気合のジャケ買い。ましてハタが漁場としているジャンルはほぼ8割近くがそもそもデータベースに載っていないという限りなくワイルドな世界なので、基本今でも気合と霊感のみで選んでいます。

そして今回も情報の海の隅っこの棚から魅惑の音源をサルベージ。

Nino De Eleche " Antologia Del Cante Flamenco Heterodoxo"


あ、これは当たり音源だ(うっとり)

ライナーノートが全てスペイン語で詳細は分からないが超モダン前衛フラメンコ集。

ちなみにアルバムのジャケットの中が超おしゃれ。Rosario El Tremendita といい最近のフラメンコ音源は頭がおかしいのが多くて素敵(絶賛)



Stefan Hussong "Plays John Cage"

ジョン・ケージの初期作品って好きなんですよねー。まだこの時期は作曲自体に偶然性とかを入れてないのでちゃんと音楽ですし。

でまあ「ジョン・ケージの初期作品をわざわざアコーディオンで演奏」というのがハタのオタ心を掴んで(ついでに安かった)堂々の購入決定。

Anthology of Armenian Piano Music Vol.1


まあアルメニアの20世紀初頭の作曲家って言えば当然コミタスですよねーいいですよねーコミタス(壁に向かって)ピアノ曲も素晴らしいですがやっぱり合唱ミサ曲が秀逸。古典楽器の演奏家だとジヴァン・ガスパリアンとかが有名ですが、20世紀初頭あたりのこの時代のアルメニアの作曲家の楽曲集っていうのもコミタス以外今まで聞いたことないし、アルメニアの音楽の独特の東洋的な陰鬱さが大好きだったらハズレはないだろう、ということで今回はお買い上げ。実際聞いてみても普通に聞いて楽しめる感じ(基本暗い)。

Merit Hemmingson " Queen Of Swedish Hammond Folk Groove"

 

うわーこれは珍盤枠だわー

スウェーデンの女性ハモンドオルガン奏者Merit Hemmingsonの70年代のアルバムコンピ盤。

まあ普通に当時のソフト・ミュージック。特別面白いか、と言われたら、ハタ的には微妙。世間的にはこういう音楽の方が受け入れられるのでしょうけれども。もうちょっと民族音楽っぽいアプローチかと思えば直球どストライクのアメリカ音楽追従型サウンドでハタ的にはこれは若干外したな、という感じ。

Kali Malone " The Sacrificial Code"

 

「あっ、これ気になってたけど買い忘れてたわ」というアルバムを実験音楽の棚から発見。

確かこれ情報を入手した段階では音源がLPしかなかったような。もともとパイプオルガンの音、そして通奏低音が好きなハタがこういうのが嫌いなわけがない。多分愛聴盤になるはず。

ということで単なるオタのお買い物発表会でしたが、まあお分かりになる方にはきっとわかっていただけるこの喜び。

何が残念ってニューヨークにはこの規模のレコード屋さんが存在していないこと。この点に関しては本当に残念です。

ニューヨークにアメーバレコードがあればほんと完璧なのに、、、と思うのですが、まあ世の中そこまで甘くないですね。

配信音源が中心になりつつある昨今ですが、これからもアメーバミュージックには魅惑の殿堂として頑張っていただきたいものです。

ということでロサンゼルスネタはしばらく続きますよ。

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