今年は噴水が凍らない
ということでみなさまご機嫌麗しう。こちらは薄気味が悪いほど暖かいニューヨークです。
今日も日中の気温が10度近くにまで上がりました。一応この時期なら日中の気温が氷点下、というのが普通の状態なんですが、今年はちょっと異常。とはいえ異常なほど寒いなら外も歩けませんが、異常に暖かい、なら外を歩くにはちょうど良い。ということで本日は用事もあって久しぶりにマンハッタンに行ってきました。まあ行き先は用事のある人にはやたらと用事がある、ニューヨークにおけるヨドバシカメラ的な立ち位置のお店、B&Hです。映像・音楽・オーディオ機器にご縁のある方は絶対に避けては通れない、そういうお店なんですが。
常々ハタが不思議に思っていること。それは「ニューヨークでは価値の高い商品はだいたいユダヤ系のお店が扱っている」ということ。マンハッタンにはジュエリー・ディストリクトという宝飾を扱うお店がずらっと並んだエリアがありますが、あそこもほぼ100%ユダヤ系。そしてカメラののような精密機器もユダヤ系のテリトリーです。当然ここのお店も基本的にはユダヤ系。しかも単なるユダヤ系ではなく、いわゆるウルトラオーソドクスと呼ばれるゴリゴリの超正統派のみなさんが運営されておられます。なので店員さんの半数以上がオーソドクスに属するユダヤ系のみなさん。この宗派の方はかなり厳密な服装規定があるらしく、白いシャツに黒いジャケット、髪型ももみあげの髪の部分をカールする、という独自のスタイルを維持されておられます。ちなみに女性は外出時に髪の毛を見せてはならない、というルールがあるそうで、みなさん外出時にはカツラを被ってお出かけされるそうです。
(ネット上に漂う画像を拾いました)
ほら、世間で陰謀論、ってあるじゃないですか?ユダヤの陰謀、とか。世界はユダヤ人によって支配されているとか。あれ、結構本当なんですよ。もうね、ニューヨークで映像関係に関わっているとユダヤ人に従わざるを得ないわけです。そして人生を翻弄されます。なんでかって言うとこの人たち独自ルールでお休みをとるんですよ。ここのお店は基本金曜日の午後から土曜日丸一日がお休み。あれですね、サバト(安息日)ですね。この期間は基本労働はおろか車の運転や電車にも乗らず、果ては電灯のスイッチを入れることまで禁忌する人もいるそうで。ただ歩くのはオッケーらしく、土曜日はみなさんご家族連れでよく歩いていらっしゃいます。ある意味健康的。
従って映像関係の人が何か必要な時、基本金曜日と土曜日には買い物できません。この段階でかなりユダヤの教えに人生を翻弄されています。そしてそこにユダヤ教独自の祝祭日があります。これも異文化の人間にとっては全くスケジュールが思いつきません。なので今日は金曜日じゃねーから大丈夫だろう、と思って呑気に出かけるとユダヤ教の祝祭日にぶち当たって閉店してるどころか次の1週間も閉店しててその間ひたすら待つしかない、という状況に陥ります。これをパスオーバーと言います。しかもこのパスオーバーの時期が毎年微妙に動くわけですね。例えば去年のパスオーバーの時期は4月19日から26日まで。今年は4月8日から4月15日まで、と結構な振れ幅。なのでパスオーバー?うん知ってる、春のお休みでしょ?などと舐めてかかっているとまたお店の前で途方にくれることになるわけです。っていうかハタは過去それで途方にくれました。
まあここで日本のみなさんなら思うはず。「他のお店に行けばいいじゃない?」と。
確かにそうですね。ニューヨークにはこういうお店が2件あります。一つがB&H、そしてもう一つがAdorama Camera。この2つがニューヨーク最大の品揃えを誇ります。
しかーし!
もう一つのAdorama Cameraもユダヤ人経営!
つまり最大の品揃えを誇る2店が同時休業!
もう打つ手なし。
うっかり備品がパスオーバー前に切れてしまったらもう大変。下手するとまるっと1週間何もできずにそのまま過ごすことになります。その間世間は普通に動いてますから、そんな時に仕事の締め切りとかがきてしまった時にはもう泣くしかありません。もうこうなると人生そのものがユダヤの教えに翻弄されまくりです。
まあ、流石にこういうお店も多様化に合わせて異教徒にも優しい感じになっているらしく、最近はお店に行くと今月のユダヤの祝日(つまり閉店日)を載せたカレンダーを渡してくださいます。まあ、それでも間違えて閉店日に行っちゃうんですけどね。恐るべしユダヤの陰謀。
まあ散々ここまで書いてはみたんですが、まあ今日はちゃんとお店も開いてたので用事は無事に済ませられました。めでたしめでたし。
で、次の用事です。前回皆様にお伝えした「ジャパニーズ・カレー」の悲劇。あれではカレーを食べた気分にはなりません。圧倒的な消化不良感。なのであまり日本人がいると思えないエリアにひっそりと店を開けているゴーゴーカレーに。B&Hの比較的近くにあるのでついでに行ってきました。
ま、正直「なんでこんな所に?」という微妙な場所にあるんですが、まあそれでも住んでいる人間からしたら無いよりはマシ、ではあります。
とはいえここのお店、数年前に大々的にシンガポールに乗り込んできたものの半年保たず撤退、という香ばしい実績を持つお店でもあります。シンガポールでもニューヨークでも割とこのクラスの庶民的なレストランとか飲食が日本で急に知名度を上げた後に海外展開する話はあるんですが、だいたい失敗してますよね。最近のニューヨークで一番失敗したのがいきなりステーキですが、あそこも1年維持できなかったんじゃないでしょうか。まあねえ、正直言いましてあれはもう店の作りからしてダメでしたね。自分の日本のやり方が絶対海外にも通用する!と思ったのかなんなのかは知りませんが、どっから見ても日本の安っぽい店、という感じで、あれはアメリカ人はいかねーな、と。ここもそこと同じ匂いがしますが、まあ値段は安いのでそこそこ需要はあるのでしょう。
ぶっちゃけ店の中もやる気は全く見られませんが、まあそれでもそれなりに人は来るので閉店はせずに済んでいるようです。っていうか来る客来る客みんなぼっち。人種問わずむさいおっさんが虚空を見つめながら一人でカレーを食っています。まあハタもその中の一人なんですけどね。良くわからんウェイターがいちいち味を聞きに来る店なんかより100倍気楽であるのは間違いありません。底辺のぼっちにそっと寄り添う優しいカレー。それがニューヨークのゴーゴーカレーです。
正直この店の内装ではあんまり金持った白人は来ねえな、という感じですが、まあ経営者としてとりあえずニューヨークに支店を出した、ということだけが言いたいんだろうな、という感じがありありと伝わります。ここまで露骨なのもある意味珍しいわけですが、まあそんな適当な商売してるからシンガポールで半年持たなかったんだろうな、とは思います。ニューヨークに日本食レストランは山ほどあれど、ここまで小汚い&やる気が無い店、というのも珍しい。ぶっちゃけ最下層。アジア系がやってるなんちゃって和食のレストランの方がまだマシ、というレベル。逆にここまで志が下に突き抜けたお店というのも貴重です。
日本にあるどの店よりも小汚い内装
ま、それでも日本のカレーを出してくれるのでありがたくいただきます。多少内装がみすぼらしくても、知ったかぶりの白人の作るなんちゃってカレーよりはずっとマシ。見るからに気の良さそうな中国人のおばちゃんがラジオに合わせて歌を歌いながらカレーを作ってくれます。若干フリーダム気味。
ああ、日本のカレーってこういう姿をされておられましたよね、と。思わず手を合わせて拝みたくなる、そんな神々しいお姿です。間違えてもキノアだの鹿の餌だのが混ざった酔っ払いの吐瀉物みたいなお姿ではなかったはず。お値段もあんなヘルシーなゲロおしゃれカレーより安い。いやあ、あれは本当に酷かったなあ(しみじみ)、とここへ来てようやく来し方を振り返ります。
ま、ぶっちゃけ個人的にはカレーはCOCO壱番屋派なんですけど。
正直ココイチがニューヨークに来てくれるのなら、こんな店に用は無い、くらいの感じですが。実際シンガポールではCoCo壱番屋は海外展開に成功して順調に店数を増やしておりました。なんでしょうね、この違い。ぜひCoCo壱番屋さんにはニューヨークにお店を出していただいて、このやる気の無いしょぼい店を一発で沼に沈めていただきたいものです。
食後はふらっと北上してブライアントパークに。本来なら寒くて外のベンチに座ってのんびりする、などという事はまず考えられない時期なのですが、驚異的な暖冬のおかげで公園でのんびりとコーヒーを飲んだりもできるわけです。地球温暖化万歳。個人的には今年の暖冬の原因はグレタさんの怒りだと断定しております。だってあの子の発熱量すごそうだし。
公園の片隅でコーヒーを啜りつつ、空を見上げると綺麗な冬の空が広がっていました。
まだ寒い時期はしばらく続きますが、こういう暖冬の1日もなかなか良いものです。
という事でハタのニューヨークおしゃれ散歩&グルメ情報でした⭐︎
お前ら全員シベリア送り💜(上目遣いで)
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