ということでみなさまご機嫌麗しう。
中国ではコロナウイルスが猛威を奮っていたりと2020年の旧正月も波乱の幕開けとなりましたが、まあ素人にはどうにもできないことなのでただただ遠くから固唾を呑んで眺めております。ご興味のある方は現在の感染者数を定期的にアップデートしているアメリカのジョン・ホプキンス大学のサイトをご覧ください。ちなみにとんでもない勢いで感染者数が増えていっています。
今年は暖冬、などと言っておりますが、それでもなんだかんだで寒い時にはいつも通りの寒さになってまいりました。今週は夜になると−3度くらいにはなるようで、まあいつもの冬っぽくなって来ました。今日も用事があり、事務所を夕刻に出た後に地下鉄に乗って川沿いのエリアをしばらく歩いてきたのですが、流石に寒い。まあ氷点下の本気で寒い時から比べたらまだ全然ましですが、それでもまあ2〜3度くらいでしょうから、まあ十分に寒いといえば寒い。
で、寒いお外を歩きながらふと思いつきました。「そういえば寒くなると聴きたくなる音楽があったなあ」と。
寒くなると聴きたくなる音楽。ハタの頭の中にはいくつかリストがあります。とは言っても寒い時にこれを聞いたら心が暖かくなる、とか元気はつらつで体温が上がる!とかそういう前向きな方向ではなく。あくまでも寒さを助長する方向です。
寒さを助長する音楽。一言で言うと
「ひもじい寒いもう死にたい」
この空気感をいかに楽しむか、ということにかかっています。鬱々とした曇り空、灰色のどんよりとした世界、ただただ冷え込む外気、しなびた野菜と芋しか売ってない市場、、、この世界観を美化するのではなく、ただただそれを現実のものとして受け入れる。それが寒い音楽の世界です。
Garmarna "Vänner och fränder"
うんちょっと寒い。ですがまだ冬将軍はそこまでやってきてはいません。秋に収穫した栗やジャガイモの蓄えはまだ十分。キノコだってたくさん収穫しました。丸々と太ったイノシシや鹿もまだその辺にいます。薪も外に置いてあるし窓の外から入ってくる冷気も今ならまだ大丈夫。まだ窓の外を見ながら最後の紅葉を眺める心の余裕すら感じさせます。
Triakel ”Sparvens visa ”
だいぶ冷えてきました。
今年の初雪の朝。近所の池も凍り始めました。朝晩はかなり寒くなってきました。うっかりすると体を冷やして肋間神経通が出始める時期です。なるべく体を温めるように生姜だのを積極的に摂取します。それでもおうちにはストーブがあるので平気です。お外は寒いですがストーブのそばにいれば心は春模様。春が来るのを栗をかじりながら待ちます。
Eivør - Trøllabundin
薪と食料が底をつき始めました。
自分の中で葛藤が始まります。この状況を引き起こしたのは自分のせいなのか、それとも冷夏で実らなかった栗のせいなのか。いや、まだ芋はあるはず、、、と思って貯蔵庫を見に行ったら何と言うことでしょう!せっかくのジャガイモが全部虫に食われてしまっている!途方にくれて家に帰ります。窓の隙間からは冷たい風が吹き込み、薪ストーブも常につけることは難しくなってきました。どうしよう、ここは隣の人のあの薪をこっそり奪って来るか、確かあそこの家は裕福だから干し肉も手に入るはず、、いや待て冷静になれ、、、と自問自答の日々が続きます。思いつめて数日、ふと気がつくと手には乾燥したキノコを握りしめていました。
赤地に白い点々が付いている、いかにもアレな感じのキノコ。そう、これは普段には食べてはいけないもの、、、でもいざという時には食べるもの、、、、昔からこれを食べて戦いを生き延びてきた、と爺さんが言ってたあのキノコ。これを食べてしまえば俺だって、、、
Heilung ”Lifa"
こんな状況に陥ったのも全部冬のせいだ、、、この冬のせいだ、、、そうだこの冬が悪いんだ。自分が悪いんじゃない。冬とあいつらが全部悪い!悪い奴は全部この世からなくなればいいんだ!赤と白のまだら模様のキノコは幸せなお隣さんの光景をより輝かしく見せます。(瞳孔が開くので)
あいつらばっかりいい思いしやがって。生まれた時からそうだった。あそこの家のよしこちゃんはこっちが雪の宿しか食ってないのにいつもブルボンのホワイトロリータを食ってた、、、あんな貴族のお菓子を食って育った奴がまともなわけがない!あいつらを始末してしまえばホワイトロリータの精霊が俺に婚礼を迫ってくるんだホワイトロリータの精霊は空からやってた!俺には見える光り輝くホワイトロリータ様が(キノコの影響で思考回路がおかしい)
Valentin Slivestrov " Silent Songs"
ねえ、雪が降ってるよ。真っ白だよ。みんなどこかにいっちゃった。ぼく、歩けないんだ。なんかね、足が何かに挟まってるの。雪、きれいだなあ。あ、お隣さんのおうちがあるよ。あ、暖炉で子供達がお歌を歌っているよ。お父さんもお母さんも幸せそう。僕のおうち?おうちはどこかにいっちゃった。うん、どこかにいっちゃったの。おかしいなあ、ここにあったと思ったのに。おうちって逃げていくのかなあ。みんな冬が怖いんだね。そう、みんな冬が怖いんだ、、、雪が降ってきたよ、、、綺麗だなあ、、、冬は、、、
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