皆様ご機嫌麗しう。
こちらは相変わらずのブルックリンでございます。おかげさまで自宅待機は解かれ、そして同時に戒厳令も無事に解かれ。ようやく少しづつではありますが日常が戻りつつあります。以前と違うことと言えば皆さんがマスクをしている、ということくらい。3月頭にコロナが本格的に流行し出した頃は「マスク?それっておいしいの?」みたいな反応でしたが、流石にアメリカ人もマスクの重要性を理解しただけでもだいぶ防疫は進歩したのかもしれません。
とはいえ先週あたりから端を発した黒人死亡事件によるプロテストは頻繁に行われており、ハタも久しぶりの外出の途中でプロテストの列にぶち当たったので、なんとなく歩道から人の波を眺めておりましたが。
ほとんど白人の若い子ばっかり。むしろ黒人のプロテスターはごく少数。
これが大騒ぎしながら黒人がたくさん住む貧困街を抜けていくわけですね。
自分たちは貧困の世界に住んでないのに、こういう時だけヒーロー気取りでズカズカと土足で入り込んで見苦しいったらありゃしない。甘やかされて手を汚さずに育った白人が大声をあげて騒いでいる横で貧しいラテン系の若い子が悪臭にまみれてアパートのゴミの処理をしているのを見て、やっぱりこいつら偽善者じゃん、と。
ま、こういう話題はこのくらいにしておきましょうね。多分ハタの口からものすごい罵詈雑言が漏れちゃうので。さっさと滅べば良いのに
こんにちわー(満面の笑み)
皆様ご機嫌麗しう。こちらは初夏のブルックリンです。
こちらも良い感じの気温になってきました。この時期になるとそれなりに気温も上がるので、一気に夏感が増してきますが、日本から比較すると湿度はまだだいぶ低め、なので、それなりに爽やかな感じの日が続きます。それでも爽やか地獄のロサンゼルスからするとかなり湿度は高いですが。ロサンゼルス、何が怖いって果物が腐らないんですよ。オレンジとか、レモンとか、ああいう果物があるじゃないですか?日本だとほぼ8割の確率で腐るかカビが生えますが、ロサンゼルスでは
ひたすらしぼんでいきます。
まさにミイラ化。みかんやリンゴがどんどんしわしわになって縮んでいきます。
あれは怖い。
初夏になると気になるのが、季節の果物。やはり冬の長い地域ですから、こうやって暖かくなってくるとどうしても「あっ、果物や野菜が美味しい季節が、、、」と思ってしまうわけです。
先日近所で行われているファーマーズマーケットに散歩がてら行ってきたのですが。そこの八百屋さんが珍しく水菜を売っておられまして。「あっ、水菜があるなんてなんて珍しい!久しぶりに水菜を買って季節の味覚を味わいましょう!」などと思って水菜を買って食べてみました。水菜。日本の野菜。もう水菜なんて10年くらい食べてない。ああ、久しぶりの水菜。
と思って食べてみましたが、
まあ水菜は所詮水菜ですね。
感動するほどのものでもなかった。そもそもあんまり味しないし。
とはいえ。季節の食べ物 in NY。春には春の食べ物を食べてみたくなるのが日本人の性。中国人がたくさん住んでいる地域のスーパーに行けばたけのこが売っているのはわかっているのだけれども、今年の春は流石にコロナでそこまで行けず。春の味覚は逃してしまいました。
そこに現れたのが次の季節の味わい。
青梅です。
日本語フリーペーパーに載っている韓国スーパーの特売品に「青梅」の文字が。えっ、ニューヨークでも青梅買えるの?だったら梅酒作れるじゃん!と一気にハタの心は盛り上がりました。実際ハタの実家の小さい庭には梅の木が植えられており、毎年この季節になると梅を収穫して梅酒にすることが多かったので、青梅、というのは比較的ハタの人生には近しい存在でしたし、まあ作り方も大体わかります。家人ももともとあんまりお酒を飲む人ではないですが、梅酒は喜んで飲むし、これだったら梅酒仕込んでも誰も困らないよね?と。
とはいえ世間はコロナ真っ盛り。地下鉄に乗ってマンハッタンの韓国スーパーに行くことはおろか外出そのものもままならない状況。コロナ感染の危険を冒してまで青梅を手に入れる必然性があるのだろうか?
でもそうやって色々とできない理由を見つけては今年も青梅を逃すのか?お前は臆病者か?そうやって今までの自分を甘やかすのか?今度こそ自分を変えてみるチャンスじゃないか?そうだ!今年こそ梅酒を漬けて今までのダメな自分とおさらばするんだよ!さあ!
ということで梅を注文してみました。
オンラインで。
アメリカって広いですよね。まあ日本も南北に伸びているので、同じ国内でも気候の違いが相当ありますが、アメリカの場合は東西南北に広がりっぱなしなので、ニューヨークが初春でもロサンゼルスはしっかり初夏だったりするわけですね。なので今の時期ならアメリカのどこかで青梅を育てている人がいるに違いない、と。と思って調べてみたわけですね。
梅。こちらではUme Plum と称されることが多いのですが、同時にUme Apricotとも言われており、正直どっちやねん、と。でもまあ梅をplumと呼ぶのであれば、他の国の梅に似たPlumでも梅酒は作れるのでは?と思い、アメリカで手に入るplumを探してみたところ、比較的簡単に出てきました。
サワープラム。確かに日本の梅に似てるけどちょっと違う気もする。どうやらイラン辺りではこのサワープラムを食べる習慣があるのだそうですが、これが実際に日本の梅に近いものなのかがわからない。ということで調べてみるのですが。
食後に塩をつけて齧るんだそうです。
サワープラムはチェリー・プラムの熟してない実。
チェリー・プラムは日本語ではベニハスモモ。
梅は英語でプラムまたはアプリコット 。プラムはスモモ。
スモモを英語で検索するとプラム。
でも梅とスモモは別の種類。
調べてみると梅は青いうちにお酒に漬けるのに対して、スモモは熟してからお酒に漬けるらしく。ということは梅とスモモでは「漬け方」が異なる以上、別物として考えるべき。ということはこのサワープラムは梅とは異なるもの。でも梅はプラム。
もう訳がわからない。
どうやら英語では梅とスモモの明確な区別がないようです。
これはどうしたものでしょう。
梅=プラム、だと安易に考えてしまうと、梅とは異なるスモモがやってきてしまいます。
これはちょっと不安。だったらもうUmeそのものずばりを売っているお店はないものか、と思い調べてみたところ、なんとカリフォルニアに1軒だけ青梅を通販しているお店があり。
カリフォルニアから青梅かー、アメリカの郵便事情を考えてもちょっとリスクがあるかなー、と思ったのは思ったのですが、まあ、向こうさんはちゃんとした果物販売のお店っぽいからちゃんと送ってくれるだろう、ということで思い切って注文。
まあ途中までは良かったんですよね。カリフォルニアから2日でNYに到着。
そこからすぐに配達されたはず、なのに。
なぜかバーコードのチェックミスで郵便局に送り返され、そこで1週間ご滞在。
そして発送されてから10日後にハタのアパートに到着。
わあ❤️(腐敗臭)
アメリカの郵便事情の酷さをナメていました。そうだ、ここはアメリカだ、日本でカジュアルに新鮮な果物を送ってくる技術もセンスも全くない国なのに。もうハタだってこんな国に15年も住んでていろんなことを分かってるはずだったのに。アメリカ人を信じたハタが悪い。
ちなみにすぐに果物屋に連絡したらすぐに代わりの梅を送ってはくれましたが、
それはすぐ届いたものの、まともな梱包なしに届いたので梅が全部潰れており。
郵便事情も悪いがこの果物屋も相当レベル低いな、、、、と。アメリカってプロであるべき人間が本当に低レベルだったりするのでほんとまともに信用できません。
しかしもう梅酒への道はスタートしてしまったのです。お梅様が10日間ブルックリンを彷徨いつつある間にもう梅酒用の瓶もお酒も氷砂糖も全部揃えてしまったのです。素敵な舞台をセッテイングした以上、主役が来ないとは言わせない!ここで負けるわけにはいかない!アメリカのダメさ加減に負けちゃいけない!こうなったら梅がダメならアプリコット 、それがダメなら桃でもなんでも漬けてみせる!
ということで。必死で探してみたところ、台湾梅を売っている人を発見。日本と台湾の距離なら、同じ梅でもきっと近いはず。実際に台湾にも梅酒があるようだし、それだったらきっと大丈夫だろう、ということで、祈るような気持ちで注文。売主はebayで電子回路のチップなんかを売ってる方だったので、多分庭で取れた梅を適当に売っておられるんだろうなあ、と思いましたが、別に梅が手に入るんだったらこの際素人も玄人も関係ありません。そう、梅さえ手元に届けばハタのミッションはコンプリートされるのです!
待つこと6日ほど。朝イチで荷物が届きました。今回も腐敗して届くのか、それとも潰れて届くのか、、、と恐る恐る開けたところ、どうやら運搬途中で熟して来たようで、梅の実全てが黄色く熟しており。ただ腐敗などはしておらず、梅独特の素晴らしい芳しい香りが箱から溢れてきました。どうやら前の果物屋は梅の入った袋を完全密封したために中で蒸れてあっという間に腐ってしまったようですが、この人が送ってくれた梅はナイロン袋に入っていながらも袋が密封されておらず、運搬中に蒸れることなしにうまく熟してくれたようです。
これだったらまだいける!すぐ漬け込みましょう!
ということで届いたその日の朝に漬け込み準備開始。箱から出して水洗い。なんだかんだ言って長距離の運搬なので傷のついたものは寄り分けて梅シロップ用に。
家人にも手伝ってもらいます。家人は梅酒が好き、ということなのでハタが梅酒を作る、と聞いた時には興味津々の様子でしたが、一言
「金箔は入れないの?」
うーん間違いではないけど間違ってるな。
まあ梅酒を作る、とは言ってもプロセス自体はそんなに難しいものではなく。梅と氷砂糖入れてお酒に漬けるだけですし。あっという間に作業終了。カリフォルニアから届いた梅は到着して数時間後にはすでにホワイトラムの海に沈められたのでした。
そして傷がついた梅、潰れて届いた梅はとりあえず実験として梅シロップに。
まあ今改めて冷静に振り返ってみたら、ぶっちゃけ
来年にチャレンジしてても良かったのでは?
という気がしないでもないのですが、まあそれを考えると自分のやったことが全部バカらしい、という答えしか出てきませんので、気がつかないことにしておきます。やっぱり勢いって大事なんです。初期衝動、っていうんですか?勢いでコロナ禍の期間中に梅酒作り。まあ本当勢いだけだったんですけど、案外やればできるものですね。
ということで、これから1年ほど梅の実を眺めながら過ごしたいと思います。
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