と言うことで皆さまご機嫌麗しう。
東京では着実にコロナの感染者数が増えて参りましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。
先日もニュースで聞いてびっくりしましたが、風俗嬢が新宿のホストクラブで感染、そのまま青森に出張営業してお客さん30人、とか、で結構大変なことになっているようですが。でもまあ難しいですよね、夜&下半身ワールドは。結局ダイレクトに人間の欲に結びついているジャンルですし、夜遊びは控えてください、って言われても遊んじゃう人は遊んじゃいますしお盛んな人は無駄にお盛んですしねえ。風俗嬢の方もコロナのご時世ですから、って言ってただお客さんを放置、というのはプレイとしてはかなりニッチすぎますしねえ。あ、でもハタ聞いたことあるんですよ。お知り合いの女性の方が、「M男性をひたすら汚物を見るような目つきで見るだけの女王様」のアルバイトをやったことがある、と。まあでも楽じゃないですよね。眼力必要そうだし。そんな眼力があればそのうちビーム光線とか出せるんじゃないでしょうか。
なんだってプロのお仕事は大変ですよね。
と言うことでこちらもすっかり7月の夏空となりました。よくよく考えてみたら、この7月でハタがロサンゼルスからニューヨークに漂着して10年目に突入したことになります。長かったような、短かったような、なかなか感慨深いものがありますが、まあ一度ニューヨークという街で数ヶ月生活してみましょうか、という軽い気持ちでスーツケース一つでやってきて、ふと気がついたらもう10年になりつつある、と言う感じでしょうか。
最初のアパートはシャワーと台所が共有の安アパート
まあ最初は治安劇悪のイーストハーレムの日本人がやってる(多分)不法民宿みたいなところに2ヶ月おりまして。まあ自分の部屋の窓の向こうに聳え立つビルがいわゆるプロジェクト、と呼ばれる低所得者層の集合住宅、で、昼間っから仕事もしてなさそうなおっさんたちが近隣をうろうろしてるような環境で、今から考えるとまあぶっちゃけヤバい地域だったな、と。まあアメリカでヤバい地域、って言うのは大体似たような特徴がありまして。酒屋のレジが鉄格子でプロテクト。まあぶっちゃけ強盗防止ですよね。アメリカに観光でいらっしゃった時に一度酒屋さんをチェックしてみてください。鉄格子がはまってたら、まあそこのエリアの治安は悪いですよ、と。深夜一人で出歩くのはやめておきましょう。
とはいえハタがいた地域は周囲の地域からしたらまだマシ、で、数ブロック行った先は「あ、ここから先は多分昼間でも行っちゃダメだな」と野生の勘が全力で訴えかけてくるようなエリアがありました。実際昼間っから血塗れのラティーノの若者がふらふら歩いてたり、向かいのビルから発砲音が聞こえたり、と、なかなかにスパイシーな地域だったので、まああんまりここに長くいるのもしんどいな、と言うことでもう少し穏やかなクイーンズのアストリア、という地域に引っ越しました。
まあアストリアでの暮らしはまた別の機会に、と言うことでとりあえず話を進めますが、
アストリアには大方6年ほどいたことになります。まあマンハッタンから地下鉄に乗って15分ほど、という場所で決して不便なわけでもなく、大変過ごしやすい地域だったのですが、
なんか納得のいかないことが。
ブルックリンだけぶいぶい言わせやがって。
なんかねー、世間はもう全て「ブルックリン推し」なわけですよ。ブルックリンスタイルの生活、だのブルックリンスタイルの家具、だの果てにはブルックリンパーラーって。馬鹿じゃないほんと流行しましたよね(あえて過去形)。もう口を開けたと思ったらやれブルックリンがどうの、ブルックリンの今一番のトレンドはどうとかもううるさいったらありゃしない。で、本当に活動してるのかどうかわからんアーティストとかシンガーが出てきてさも全てを解ったかのようにブルックリンを語るわけですよ。もうね、夢壊すようで悪いですけど、ニューヨークで活躍中のなんとか、とか言ってダンスとか歌とかやってる人の99%は日常生活ではラーメン屋店員か語学留学生かですからね。しかもほとんどブルックリンに住んでませんからね。
でまあ、ハタはこちとらクイーンズですよ。まさにザ・鈍臭さシティ。ヒップホップもなけりゃブラックカルチャーでもなく、あるとしたらインド移民とこてこてのギリシャ移民の世界。アパートから数ブロック行ったらリトルエジプトですよ。まあハタ的にはおしゃれブルックリンよりは断然こっちの方が興味があるわけですが。
で、朝からアパートの大家さんが近所のおっさんたちと立ち話してて、そこを通りかかると必ず近所のおっさんがコーヒーを奢れ、と言うわけですよ。でまあ、しゃーないな、と思って1ドルを手にして「おっちゃんコーヒー買うて来たげてもええよ」と言うと「ほらみろこいつはいいやつだ!こいつは信用できる!」とガハハと笑われて。まあこれを会う度にやる。6年間やる。どんな関所だ。
まあいいおっちゃんたちでしたが。引っ越しする時に最後に一回本当にコーヒー奢ってあげたかった。
日本人の脳内にだけ異常発生するブルックリン
世間様がそれこそ憧れ目線でうっとりと語る街、ブルックリン。そこに行けば全ての人がおしゃれなレンガの壁に囲まれて暮らし、最先端のおファッションに身を包んで街を闊歩し、トレンド最先端のレストランでカクテルを片手にエスプリの利いた会話をするという、そんなおしゃれ桃源郷。でもメインストリームのマンハッタンには背を向けて、あくまでもオルタナティブで自由。あたいは自由な風さ。そんな街を、
ハタが住んでみせようじゃないですか。
運良くブルックリンの中でも特におシャンティー度合いが最高潮に達した感のあったウィリアムズバーグの東の端っこに物件を発見したのが今から5年前。新築の建物だったので、契約してから新しいアパートに入れてもらえるまで1年放置されましたが、雨の日も風の日も毎週1回建物の工事の進歩具合を確認しに通い続け、そうしてようやく手にしたブルックリンでの暮らし。ハタも名実ともにブルックリンのおシャンティーな地域の住人となりました。まあこう言っちゃなんですが、本当にちゃんと住みましたからね。自称ニューヨークで活動中の新進気鋭のラッパー(ラーメン屋店員)とか、そんな人はまずこんなところに住んでませんからね。普段はクイーンズ奥地のチャイナタウンあたりに住んでて、週末になったらおしゃれ地域にやってくる若者とは一緒にしないで!(偉そう)。
そしてそこに暮らして4年。いろんな発見があった4年。そして4年たった今。
もうごめんなさいクイーンズに帰らせてください。
さよならブルックリン。あなたは美しかった。
ここにハタの4年間の軌跡を綴ります。
1・若者がうざい
毎日毎日ぱーりないっ
今日も朝からぱーりないっ どこに行ってもぱーりないっ
超うぜえ。
ほんとねー、ハタはつくづく自分で気づきましたよ。ハタ、他人のおしゃれとかどうでもいい。トレンドとかもどうでもいい。流行ってるところには意地でも行かない。別にキレっキレのファッションで身を固めて街を歩きたいわけでもない。で、そう言う人たちにも1ミリもシンパシーを感じない。
ハタ、一体何しにこの街に来たんでしょうか。
歩いて20分ほど行ったところにあるベッドフォードというエリアはそんなおしゃれキッズが朝から晩まで町を練り歩いているわけですよ。まあこの近辺に住んでる日本人に、「ベッドフォードを日本の街に例えるとどこ?」という質問をすると、
「原宿かな」
という答えが返って来ます。
うわー興味ねえ(しみじみ)
いや、ハタが初めてベッドフォードを訪れた12年ほど前はもうちょっと面白い街だったんですけどね。いろんな意味でクセの強いレコード屋、「Ear Wax」とかもあったし、それなりに面白い本屋さんとかもあったし。それがこの10年くらいであっという間に観光地化&原宿化。昔からあったお店はほとんど街を追い出され、あっという間に凡庸な街に。まあ凡庸な街に集まる人間が気の利いた人間であるわけがない。結局蓋を開けたら自我は地球よりデカイがセンスは至ってどんくさい、まさにこれぞアメリカの若者!というのだけが集まる街になりました。
別にまあベッドフォードが嫌ならブッシュウィックもありますが、多分東京で言えば高円寺。高円寺とか行ったことないけどなんかウザそう。そこはもう歩いている人みんな革ジャンでパンクかヘビメタさん。全身タトゥーだらけで俺たちワルだぜ、イエーみたいな感じで昼間っからビール飲んだりしてますが、実際大したヘビメタ聞いてるわけでもなく。ただそこに住んでる、というだけでみんなと同じ格好。とりあえず全身黒。聞いてもねーのにラモーンズのTシャツ着やがってこっ恥ずかしいったらありゃしない。ぶっちゃけ個性もへったくれもありません。アメリカ人が個性的、とか、ほんと冗談よしてくださいよ。この人たち「自由なふり」をしてるだけで個性もなんもないですよ。
で、そんな自称最先端の最も凡庸な人たちが毎日パーティーですよ。気温が暖かくなって来たらアパートの向かいのビルの屋上で毎週末パーリー。まあねえ、ハタも京都の老舗クラブ・メトロのダイアモンドナイトで育った人間なんで、多少音がうるさいから、っていちいち目くじら立てるつもりはないですよ。でもねえ、何が腹立つって
そのパーリーの曲がおそろしくダサい
ってことですよ、ええ。
おいそこの若い白人のDJ。お前だ。お前はこのハウスの聖地であるニューヨークでDJを自称しておいてそのダサさはなんなんだ?っていうかなんだそのしょーもないEDMは
もう聴いてるだけで脳細胞が縮む
もう音が大きいのがストレス、じゃなくて音のセンスが悪いのがストレス。あのですね、ハタだって多少はブルックリンに夢を見たいわけですよ。世界のおしゃれが集まるというこの街の深夜の屋上パーティ。誰でも参加できるわけでもないらしい、秘密のアンダーグラウンドパーティーだそうじゃないですか。そういうの、嫌いじゃない。うるさいなあ、と思いつつ「おっ、さすがブルックリン、音は最先端だわ」って思えたら、多少の騒音だって我慢しますよ。ブルックリンの秘密パーティー、という世界のキッズが聞いただけで嬉ション確実の舞台を作っておいてもらってお前はそこでマクドナルドのハッピーセットみたいな曲をかけるのか?と。もうとりあえずあのDJはヴェニスの生ける至宝・Hard Ton大先生の下敷きになってしまえ
先生は相変わらず確信犯で最先端
まあねえ、ハタももう四捨五入したら50になろうか、という人間ですから、若い皆さんからしたらそれなりに知識も経験も無いわけではない。なので若者がやってることになんとなしの未熟さを感じることはありますよ。おっさんだし。それは仕方ない。でもやっぱり若者のやってる事に新しいものを見出したいわけですよ、おっさんとしては。でも世界の若者があんなに憧れる街、ブルックリンでこの程度か、と。正直がっかりですわ。こんなんだったら日本の地方都市の若い子の方がよっぽど気の利いた事やってますよ、と。アメリカ人の今の若者、本気でセンスない。センスがいい、とか悪い、じゃなくてセンスがない。なんか80年代の輝いていたニューヨークとかに憧れてた世代の人間からすると寂しいんですけどね、こういうの。日本の若者の皆さん、正直皆さんの方が進んでますし、センスもありますよ、と。
という事でまさかの続編決定です
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