移民アンドザシティ

皆様ご機嫌麗しう。こちらは相変わらずマスク生活のニューヨークです。まあ日本の皆さんも基本マスク生活だとは思いますので、その辺は同じ感じでしょうか。マスク暑いっす。まあそれでも一応マスクさえしていれば外出してもオッケーなので、その辺はある意味まだ気楽です。日本の皆様は本当にラッキー。都市封鎖の憂き目に遭ったとしても、ニューヨークのそれと比較すれば期間は短かったですし、今はなんだかんだ言ってもマスクさえしてれば普段と同じ生活ができるわけですよね?



ニューヨーク、現時点でまだレストランでご飯食べられません。


屋外の簡易席で食べるのは可能ですが、お店の中ではまだご飯食べられません!どんだけおしゃれ飯をシルブプレ、と望んでも出てくるのはお惣菜コーナーのお惣菜みたいなご飯。そして大体日本の惣菜コーナーよりまずい。もう泣くしかない。


なんかねー、週に1回か2回、近所のお店でデリバリーをお願いするわけですよ。


この前、ああ、そう言えばあそこのダイナーのアメリカーンな雑な味を楽しむのもアリか、とふと思ったんですね。ダイナーっていうのはアメリカ版ファミレス、とでも言えば良いのでしょうか。ほら、昔の映画に出てくる、古き良きアメリカ、みたいな、ああいうレストラン。



ニューヨークにも何軒か残ってますし、今のハタのアパートのそばにもこういう感じのお店があるわけです。ハタ、こういうの嫌いじゃないです。良い意味でアメリカのレトロ。こういうところで多少雑なものが出てきても、まあこれもエンターテイメントの一つよね、古き良きアメリカ、、と思ってゲロ甘のパンケーキとか薄っすいアメリカンコーヒーとかを喜んで食べるわけですよ。それはそれで楽しいですし。別に吐き出すほど不味いわけじゃないし。


でも今はお店の中でご飯は食べさせてもらえませんから、じゃあ、ここのご飯を配達してもらいましょう、と。


まあ、ここまできたら皆様お分かりだと思うんですけどね。

(古き良きアメリカのダイナー)ー(古き良きアメリカの内装)=?


答え:まずい飯


もうね、あのほんわかと楽しかったダイナーの飯がしっとりとまずい。ハタもうっすらとわかってはいました。一応オムレツを頼んでみましたが、流石に古き良きアメリカのオムレツですから、フランス風のふんわりとろっとしたオムレツなんて最初から期待していません。どうせ卵も火葬レベルで焼き締めたものが出てくるに決まってます。分かってるんです。でも。


予想以上に酷かった。


やっぱりあのアメリカーンな雑なご飯はあのダイナーという特殊な環境で食べるからある程度成立するものであって、ダイナーのご飯だけを自分のおうちに持って帰ってきたらもうなにこれ?段ボール?みたいな現実しか見えてきません。流石にこれはちょっと凹みました。もうあのダイナーでご飯食べる気がしない。でもまあパンケーキくらいなら大丈夫か。でもこれでパンケーキを宅配で頼んだらまた別のショックを受けてしまいそう。なのであのお店の店内でご飯が食べられるようになるまではあのお店のデリバリーはちょっと怖い(トラウマ)



さらに。


ついでに言えばまだ大半の人は在宅勤務です。ちなみに今回家探しでお世話になった不動産屋さん、3月にニューヨークを脱出して他州に避難したまま、現時点でまだニューヨークに戻ってきてません。そして学生さんも結局半年学校行ってません。3月中旬から9月の新学期開始まで、よくよく考えたらもう5ヶ月近くになるわけで、やっぱり基本的には異常な状態のまま。「ニューヨークも都市封鎖が解禁されました!」とか言っても、日本ほどオープンに解禁できてるわけじゃないのです。そしてこの状態のまま9月、10月と継続していくわけですか?また感染者とか増えますよね?どうすんですか?みたいな状態が維持される可能性の方が高いわけです。本当どうするんでしょうか。


とは言え。

まあ引っ越しもしたし、近所の散歩もしてみたい。

ということで先日ふらっと地下鉄で2駅分ほどの距離を地下鉄に沿って歩いてみました。今いるエリアはマンハッタンの延長、にある再開発地域ですので、そこからクイーンズ奥地に向かっていくことになるわけです。まっすぐ歩いて行くとクイーンズのチャイナタウン、フラッシングに至ります。割と天竺っぽい。


あの遥か彼方に天竺が


面白いことに、地下鉄(すでに地上に出てるので地下鉄ではないが)の高架がこのような作りになっており、高架の下をずばんと歩けるようになっておりました。これは雨が降っている時でもここを歩いて移動できるのでかなり便利。ニューヨークの地下鉄でこんな構造になっている物を初めてみました。


まあ風景といえば、ですねえ。もうおしゃれ一直線ですよ。まさにセックスアンドザシティーの世界なんですよ、ええ。



ほら、これがあの3人のうちのなんちゃらがあれしてこれしたレストランでしょ?

ここを出た後にサラジェシカ馬パーカーが「セックスが下手な男なんかヤギに食われて滅びるが良い」と叫びながらポルシェと正面衝突、奇跡の融合を経てナイト2000としてマイケル・ハッセルホフと新しい人生を歩むエピソードに出てきたあのお店ですよ。


そんな有名なお店が他にもたくさん!


ほら、これがあの3人のうちのなんちゃらがあれしてこれしたおしゃれ雑貨屋でしょ?

ここを出た後にサラジェシカ馬パーカーが「セックスが下手な男なんかヤギに食われて滅びるが良い」と叫びながらポルシェと正面衝突、奇跡の融合を経てナイト2000としてマイケル・ハッセルホフと新しい人生を歩むエピソードに出てきたあのお店ですよ。



ほら、これがあの3人のうちのなんちゃらがあれしてこれしたブティックでしょ? ここを出た後にサラジェシカ馬パーカーが「セックスが下手な男なんかヤギに食わ(以下略)


うん超鈍臭い(うっとり)


なんて言うんでしょうか。今時日本の地方に行ってもそうそう見かけないこのいなたさ。シンガポールのローカルな店でもここまでひどい店は少ないわけですが、この堂々たる佇まい。「服?着れたらええんや!」「NYのお土産?I❤️NYで十分やろ!」という暴力的なまでの真のミニマリズムの嵐が吹き荒れています。


皆さんニューヨークがおしゃれとか、思っていらっしゃるでしょ?違うんですよ。

こっちが現実(リアル)ですからね。おしゃれおしゃれと言いながら、目に飛び込んでくるものは所詮この程度ですからねー。どんだけマンハッタンでおしゃれブテイックの店員してたって、お店でておうちに戻ったらこんな環境ですからねー。目を覚ましましょう。


ま、ハタ的にはこういう世界の方が息がしやすいですが。


真面目な話。

こういうお店があると「ああ、ここは移民の街ですね」というのがすぐわかります。


このお店。何かと言いますと、小切手を現金化するサービスを提供している店舗。

これがどういう意味か、日本の方には分かりにくいと思うので説明いたしますと。


小切手を現金化する必要のある人、というのは要するに銀行口座を持っていない人、のことです。

銀行口座を持っていない、または持てない人、というのがいるのか、と皆様は驚かれるかもしれませんが、アメリカの場合、ソーシャル・セキュリティ・ナンバー(SSN)という個人に割り当てられた番号がないと銀行口座や携帯などは契約できません。SSNはアメリカ国籍の人と、正式にビザを申請して、合法的にアメリカに入国している外国人には全て割り当てられますが、それが割り当てられていない=銀行口座が作れない人、がいて、そういう人は小切手を銀行に持って行かずに、現金に変換しないといけないわけです。


つまり不法移民です。


要するに銀行を使えない人たちが近隣にたくさん住んでいる、と。そしてお給料を小切手でもらっても、銀行に口座がないので預金もできないし、換金もできない、と。そういう人のために手数料をぼったくって小切手を現金化する、という、まあぶっちゃけ弱者搾取のサービスですが、こういうのが街中にあると、ああ、ここは不法移民が多いんだな、というサインです。クイーンズはまさに移民の街ですが、こう言ったところにその移民の街である印が見え隠れしているのが面白いところではあります。


ちなみに、こういうお店がある地域は、ある意味ちゃんと稼いで得た小切手を現金化する人が多い、という地域なので、所得は低いながらも案外治安は安定しています。これがBailbond、という、犯罪人の保釈金を調達するための質屋みたいなのだったりすると、そこの地域は抜群に環境が悪いです。っていうか近隣に刑務所があります。まあ有名どころですとニューヨークならマンハッタンのチャイナタウンの一角。LAだとリトルトーキョーですね。あの辺、たまに囚人が逃げます。



途中韓国資本のカフェー、Cafe Bemeで一休みしまして。


まあ基本スタバのパクリだけどスタバより使い勝手がいい


こういうアジア資本のお店が多いのもクイーンズの特徴でしょうか。まあ実際アジア系の人もたくさん住んでますし、こういうカフェーならアジア系でなくても利用しますので、その辺地域の皆さんの憩いの場になっているようです。


まあカフェーも屋外営業ですから、お店の外に並べてある席に座ってアイスコーヒーなんぞを飲んでおりました。良いお天気の午後でしたので、席はほぼ満席で、白人、アジア系、ラテン系と様々なお客さんがおられましたが、



誰一人英語喋ってねえ


ブルックリン界隈だと基本英語、またはスペイン語が中心なので、他の言語を聞くということは珍しかったですが、さすが移民の街クイーンズ。白人含めて全員英語が外国語。なのでお互いが慣れない英語で会話して、語学能力の不十分さを慮りながらお互いを労わりあいながら暮らす、という優しい世界が広がっておりました。そういえば最初に住んだアストリアのアパートの大家さんもギリシャ人だったし、英語が母国語ではなかったよなあ、と。ハタがなんとなくクイーンズが楽ちんに感じるのは、もしかしたらそういう英語が母国語ではない人間のコミュニケーションのあり方がどこかぎこちなくも「英語ができないのはお互い様」みたいな、そういう不文律があったからかも、と改めて思いました。


おしゃれなレストランやブティックはありませんが、やはりハタにはこの湯加減が心地よい。

おしゃれブルックリンも素敵ですが、鈍臭クイーンズもなかなかのものだと思います。




ちなみにこの後たまたま見つけた日本食スーパーで井村屋の水羊羹を買って帰りました。

水羊羹だなんて、この10年くらい食べてません、、、水羊羹、、、素敵、、、























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