皆様ご機嫌麗しう。すっかり夏になってしまいましたね。なんだかんだでコロナも真っ盛り。関西圏ではそろそろお盆、ということなので、帰省を考えておられる方もたくさんいらっしゃるとは思いますが、ハタはまだ里帰りは難しそう。まあ生活そのものに大した困難はありませんので、自然災害に遭遇したような苦労はありませんが、それでも「いつになったら里帰りできるかねえ」と思案しております。まあ里帰りできないわけでもないですが、日本についた段階で一応2週間の謹慎、というか様子見が必要とされていますから、そうなるとニューヨークから成田に着いて、2週間は東京のホテルとかで監禁ですし。2週間監禁されてそこからさらに今あれほど忌み嫌われている東京から南京都の地元に帰って高齢者に会う、なんてとてもできません。
正直ハタも1月末くらいまでは「3月あたりに里帰りしようかな」などと思っていましたが、2月に入り日本でコロナが第一波を迎え、「これだったらちょっと延期した方が良いかしらねえ」と思い飛行機のチケットをキャンセル。そしたら3月にニューヨークにコロナさん第一波到来。あっという間に3月末あたりから行動が規制され始め、あれよあれよという間に都市封鎖。日本の都市封鎖はそれほど長かった記憶はありませんが、こちらはほぼ4ヶ月近く。6月末にようやく飲食店の屋外営業が可能になり、それからようやくぼちぼちと一般のお店も開くようになりました。3月頭くらいには、「まあ夏になったらいつも通りになるんじゃないの?」と楽観的に考えておりましたが、まさかこんなことになろうとは。いつも通りどころか日本にすら帰れなくなってしまいました。
普段なら座る場所を探すのが難しいブライアント・パークもすっかすか
先日散髪しにマンハッタンに行ってきましたが。地下鉄に乗れば以前よりは多少人の流れも増えてはいますが、路上はまだまだ閑散としておりました。まあそもそも観光客がいませんからねえ。散髪屋さんのお姉さんにも聞いてみましたが、営業再開して一月、お客さんの数は依然比較しても全然少なく、回復する気配もまだない、とのこと。回復までにはまだ相当の時間がかかりそうです。
今まで都市封鎖で町全体がシャットダウンされていましたので、お店は全て閉店しておりましたが、営業再開可能になったいま、逆に生き延びて営業を再開したお店とそうでないお店の差がはっきりと目に見えるようになってきました。ということで散髪後にマンハッタンを歩きながら少し観察。
マンハッタンのお買い物エリア、5番街の外れにあるブティック。以前はショーウインドウがベニヤ板で塞がれていました。ようやく都市封鎖もある程度解除、となってベニヤ板が外されたので、中を覗いてみたところ、お店の中はすでに空っぽに。どうやら早々と撤退を決めたようです。まあなんだかんだ言っても腐っても暴れてもニューヨークの五番街。イメージ商売なら何が何でもキープしておきたい場所、ですが、そうも言ってられなくなったようです。このお店の数件先にもG-Starがありますが、こちらもまだベニヤ板で塞がれたまま。恐らくここのお店も多分撤退、かもしれません。まあこの通りには無印もあり、そこは一応営業を再開しておりましたが、アメリカの無印、先日経営破綻しましたので、かなりピンチです。いろんな無駄を省いたはずの無印ですが、あとは何を省いて生き残るんでしょうか。案外この店が「無駄」と認識されて閉店するかもしれません。
撤退自体は服飾だけに限らないようでして。飲食業界も苦戦を強いられているようです。まずはニューヨークでは結構手広く営業していたチェーン店のカフェー、メゾン・カイザー。こちらも閉まったまま、です。一応調べてみると一時閉店、ということのようですが、ニューヨークにある全てのここの系列店が一時閉店、なので、営業再開可能になって一月経ってもまだ全ての店が閉店中。割と立地条件の良い(=賃料の高い)場所ばかりにあるお店なので、果たしてここのお店これからどうすんだ、と、他人事ながら心配になります。一等地に店を構えているのだし、テイクアウトでもとりあえず店を開けておけば良いのに、と思うのですが、おそらく営業判断として店を閉めておいた方がリスクが低いのだろうなあ、とは推測しますが、それにしても根性がないというか、やる気がないというか。
そしてこのお店の数件先にあった、最近開店したばかりの北欧系ベーカリー。こちらも空っぽ。このお店も一応は一時閉店、となってますが、営業再開が可能になってからまる一月ほったらかし、というのはどう考えても良い状況とは言えず。果たして営業再開に漕ぎ着けることはできるのでしょうか。でも中身をみる限りでは、什器にすでに梱包材が巻きつけてあったりするので、この店は撤退、ということになっているのかもしれません。
とは言え。全てのお店がこうやって営業再開してない、というわけでもなく。
同じ通りにある台湾発の人気ケーキ屋さん、マダムMなんかは普通にお持ち帰り対応で営業してますし、他のお店では普通に開けている店もたくさんあるわけです。ローカルなお店はほぼ8割営業を再開してますし、状況は厳しいながらもとりあえず店は開けておこう、という意思は感じます。現状みた感じでは感覚的には3:1くらいで営業を再開しているお店の方が多いかな、という感じですが、そんな中、それでも営業再開を許可された後でも店を開けない、というはなんでだろう、と。
ということで色々と観察していたのですが、開いてない店には何となく共通点があるな、と。
一言で言えば、
中途半端に高い白人店。
いや、Ole& Steenは頑張ってたのは知ってますよ?何度かお邪魔してますから。まあハタの好みではないので、一人では絶対行きませんが、家人が好きなんでねえ。黒を基調にした、いかにも北欧モダンでございます、な内装で、サンドイッチも日本の波佐見焼のプレートに乗せて出てくるし、で、こんなそこそこ良い食器をあんな雑なアメリカ人の従業員に触らせてるなんて、なんて豪気な、と一人で感心してましたけど。
でも出てくるもんは大したことない。波佐見焼きのマグに入ったおしゃれラテですよ、と言われて出されたところで所詮他の店と同じエスプレッソマシーンで作ってんだから、味なんてそこら辺のスタバとさして差はないですね、と。北欧を売りにしてる割には北欧らしいメニューもないし。あれだったらまだIKEAのカフェテリア行った方が北欧っぽいもんが食えまっせ、と。
不安になるくらい安い割には案外美味しい小エビのオープンサンド
さらにメゾン・カイザーに至ってはぶっちゃけ「なんでこんなもんがこんなに高いの?」というお値段。売ってるのはそこら辺のパン屋で売ってるものをちょっとボンジュールなおしゃれにした程度。ものすごく凝ったグルメを味わえるわけでもなく、おフランス風と言いながらも結局は噛んだら最後歯が抜けるかと思うような硬いパンに塩気の強いハムと菜っ葉を挟んだだけやんけ、という、極々つまらないアメリカ白人飯。これだったらここの店から少し離れたところにある韓国資本のパン屋さん、パリス・バゲット行ったら似たようなもんが半額以下で食べられますよ、と。ハタだったらもうパリス・バゲットのウインナーロールで十分ですし、何だったらもうコリアタウンで冷麺食ってた方がよっぽど嬉しいわけです。あ、お店開いてるはずだし今度行ってまたピビン冷麺食べてこよう(わくわく)
とはいえ。
まあ世の中こういう飲食店は場所代を払ってる、という部分もありますから、その分確かに場所にはお金かかってますね、という部分は否定しません。ブライアントパーク脇の一等地におしゃれなタイルを敷き詰めた内装で、まあ確かにあの辺の白人の小成金が喜びそうな感じに作ってあるのは事実ですが。でもこれは一見の価値あり!と思えるような大したデザインでもないよね、と。フランス風を気取ってはみるものの、パリのカフェーを本気で再現してみました!みたいな感じでもなく、ただ大理石と金でデコっとけば良いんでしょ?みたいな雑な成金感。そこにしょーもない音楽かけて雰囲気ぶちこわし。だったら目の前の公園のベンチでおにぎり食ってた方がよっぽど気分良くね?と。
話は逸れますが。
ニューヨークでこれは一見の価値あり!と思えるようなお店って意外と探すのは難しいですが、ハタがお勧めするのはあそこですね、「Oscar Wilde」っていうバー。過剰なまでのデコラティブさ、だけれども多分置いてある什器は多分ほとんどが創建当時のオリジナルかアンティーク。まじで一見の価値あり。興味のある方はこちらをどうぞ。https://www.oscarwildenyc.com/gallery
まあ、この北欧カフェだのメゾンカイザーだの、この辺のお店、って結局は白人顧客の最大公約数を狙ってるお店ばっかりですよね、と。それこそG-Starとかもそうですけど。ザ・凡庸。誰にも嫌われないけど、誰にも熱狂的に好かれるわけでもない、というあたり。自分はおしゃれだと思いたいけど、突出して個性を出したいわけでもなく、ただ何となく「ちょっと高いものを買ってます」という優越感だけを楽しむ層をターゲットにした商品。どうやらこの辺の「ちょっと金持ってるだけの白人」層を支えてきたお店が危機的状況に陥っている、と言えば言い過ぎでしょうか。いや、案外間違ってないような。
おそらくこの辺の小金持ってる系おハイソ白人を相手にした商売、というのがこれからもどんどん苦境に立たされるのでは、とハタは思っております。危機的状況に陥るのは服飾であれ飲食であれ「イメージ優先」でやってきた人たちだろうな、と。とりあえず立地の良い場所で凡庸な白人相手に凡庸なものを売る、やり方のお店はこれから軒並みアウト、という状況になるかもしれません。実際こういう白人商売とは真逆の庶民や貧乏人を相手にした格安ピザ屋とか移民の食堂なんかはターゲットを確実に特定の層に絞ってますから、意外とこういう一見弱小ビジネスのように見えるお商売の方が根強く生き延びているし、実際閉店してる数も明らかに少ない感があります。
まあハタ的にはこの辺の店が閉店しようと潰れようと炎に包まれようとどうでも良いのですが。だってご縁も興味もないし、あんまり美味くもないし。もうね、何でもかんでもパンに挟むのやめてもらえませんかねえ?挟むにしたってまだチーズとハムくらいならまだ分かりますよ。ハンバーガーって。パンと肉の厚みが人間の口の口径より大きいってどういうことですか?口に入らないものを口に入れるようにするのがナイフとフォークの役割でしょ?それを手掴みで食えってか。手はケチャップだの脂だので凄まじく汚くなるしそれを拭くおしぼりなんてアメリカ中に存在しないしお前野蛮人か。そんな手で高級ブティックの服とかバンバン平気で触るんですよマジで。そんなんだからコロナが流行りまくるんじゃないの?と在米邦人の7割くらいが考えてると思います、ええ。
それだったらどれだけハタ的には低評価、と言えどもマンハッタンのゴーゴーカレーが閉店した方がハタの人生にとっては損害が大きいです。今書いててふと不安になって、現時点でゴーゴーカレーが営業してるのかどうか調べてみましたが、びっくりしました。知らない間に店が5軒に増えてました。しかも閉店しているのは1軒のみ。残りの4軒はいつも通り営業中、の模様です。これだったらまだ日本のカレーが食べられるチャンスが無くなったりはしていない!ありがとうゴーゴーカレー。でもハタは全力でCoCo壱番屋を応援します。ゴーゴーカレーあんまりおいしくない。
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