皆様ご機嫌麗しう。
こちらはお盆を経てだいぶ秋らしい感じになってきました。なんだかんだ言ってニューヨークは緯度で考えれば青森〜函館くらいですから、割と早く秋はやってきます。個人的にはもうちょっと暑い時期があった方が夏っぽく感じるのですが、やはり北国は夏が短いですね。
いつもなら日本時間の週末にはなるべくブログをアップしよう、と思っていますが、
この調子で行くなら日本時間の月曜日の日中にアップ、と言うことになりますね。
月曜日の朝といえば週明け一発目の一番だるい時間帯。そこにどうしようもないハタのブログがアップされるわけでして。ほんとすいません。
こちらは相変わらず地味な生活のニューヨークはクイーンズです。去年このブログを始めた時には、「皆さんにキラキラしてないNY生活をお届け!ガッデムキラキラしたおしゃれNYライフ!」と思いながらAV俳優の息子が2本とか、アステカ人のクッキー作り、とか、結構な労力がかかっている割にはその労力が全く報われない文章を書き連ねてきました。
そしたら本当にNYがキラキラしなくなったんですよ
バーもクラブもミュージカルもなし。ブロードウェイに至っては今年いっぱい全ての演目が中止。
美術館もギャラリーも全て閉鎖。ただ人口密度の高い面倒くさい街になりました。
たまのライブ配信も玉石混交。
まあハタがここ数年気に入っているミュージシャンでBruno Capinanというブラジル出身、カナダ在住のシンガーがおられるんですが、この人の1つ前のアルバムがもう本当に傑作だったんですね。まあこの方を知ったきっかけは三宅純さんが紹介されてたからなんですが。
2010年代後期最高のクイア・ミュージック
まあこの方がカナダで公演するはずだったライブを配信しますよ、と言う情報がFacebookで流れてたので、楽しみにしながら待ち構えてたんですが。まあ蓋を開けてみたら
自宅カラオケ大会でした。
まあ仕方ないんですけどね。時期的には人を呼ぶことも外に出ることすらできなかった、一番都市封鎖がきつい時期でしたから、家にあるものだけでとりあえず何とかしてみましょう、と言う感じだったので、結果的にはああならざるを得ないと言うのはよくわかるんですけど。でもねえ、、こう、なんか他に方法なかったのかしら、、、と。
逆に配信ライブで素晴らしかったのが向山朋子さんのライブ配信シリーズ。3回ありましたが3回とも視聴しました。昔から大好きなピアニストさんですが、北米で演奏会をみられる機会はほとんどなく、配信でもいいから見てみたい!と思って視聴しましたが、このシリーズは本当に良かった。
しかも演奏曲目がシメオン・ホルトの「カント・オスティナート」。もうだめ死ぬ
ハタの人生最大の敵にして怨嗟の対象であるキラキラしたNY生活。それがコロナと言う謎の怪獣によってあっという間に倒されてしまいました。NYキラキラ生活、見た目はゴージャスですし、いろんな武器とか防御力があると思ってたんですね。いざとなったらエンパイヤ・ステート・ビルから手足が延びて怪獣と闘うくらいの機能はあるだろう、と。そしたらそんな機能すらないどころかまともに患者を収容する病院の数すら足りていなかったと言うお粗末さ。
NY在住の金持ちだって、わざわざ高いお金を払っておしゃれ生活をしている人たちなんだから、せめて「ヴェニスに死す」の教授みたいにニューヨークの都会の美に殉じて死んでも本望、死んでもニュージャージーの田舎臭え空気なんか吸ってたまるか!みたいな気概で生きておられるのかと思ったら、
コロナと同時にさっさと田舎に逃げやがりまして。
このタッジオも米味噌醤油海藻類で育ってない体型ですね
一説によるとコロナの都市封鎖期間にマンハッタンの人口の5%が減少した、とか。これ、いわゆる平均値なので、ぶっちゃけ高所得層と低所得層含めて5%、という意味なので、まあ金持ちの大半がマンハッタンから逃げた、という意味になります。そしてそう言うお金持ちは現時点でまだマンハッタンには戻ってきておりません。都会暮らしのキリギリスが、アリを残して別の土地に引っ越して行きました。グリム童話では冬になったら蓄えのないキリギリスが寒さに耐えられずに死んでしまうはずですが、ニューヨークのキリギリスは金持ってますからねえ。あっという間に暖かい場所に飛んで行きましたよ。現実は童話よりひどい。
でまあ、今はある意味一番安定した、マシな時期なんですよね。これからまた気温が下がってくるとまた感染者が増えてくる可能性が高い。今この段階で人が戻ってこないのであれば、多分今年いっぱいニューヨークに人が戻ってくる可能性は非常に少ない、と言うことになります。最近のこちらのニュースでは、コロナによるマンハッタンの空洞化が伝えられておりますが、今はまだ空洞って言っても山のどてっ腹を掘った小さな貯蔵庫くらいですからね。これからそこが洞窟クラスにまで育つ可能性の方が高いわけです。下手したら鍾乳洞くらいできるかもしれません。すでにマンハッタンは空室が増えてきているとのことで、アパートの賃料や販売価格も下がり気味、らしく。いつもならこう言うタイミングで中国成金がアパートを買い占めるはずなのですが、今のご時世では中国成金もマネロンで培ったお金を下手に動かせませんからねえ。
話はちょっと逸れますけど、ほんと凄かったんですよ中国人の不動産ブーム。数年前まで新築マンションの内覧会があればお客さんの9割中国人でしたから。そのせいでブルックリンの成金エリア・ウィリアムズバーグの目抜き通りにHSBC銀行の支店がオープンしましたからね。HSBC銀行といえば香港の主要銀行ですが、中国人が自分の資産を海外に逃す時に必ず使うであろう銀行ですからね。あの銀行がウィリアムズバーグにある、と言うことはそこからお金を引っ張ってきて投資する中国人がいた、と言う話ですから。まあ景気の良い話ではあります。ウィリアムズバーグに住んでいる知人に、「この辺もあと数年したらチャイナタウンになるんじゃない?」と言ったら苦笑いしてましたが。
でもまあ栄枯盛衰と言いますか。数年前からそう言うあからさまな富裕中国人が不動産を買い漁る姿はめっきり減り。同時に中国人観光客の数も一時期から比べるともう2割以下?くらいになっていたのが去年の秋冬。もうびっくりするくらい中国人の観光客は減りました。そこにきて今はコロナの上に政治的な対中経済戦争ですからねえ。今となっては投資どころかHSBC自体が金融制裁の対象になるかどうか、みたいなお話。いやほんと世の中どう転ぶかほんと分からない。
とはいえ中国資本の衰退は東南アジアではすでに2015年あたりから目に見えておりました。その頃ハタは年に4ヶ月ほどシンガポールにおりましたから、家人のお知り合いのシンガポールの建築家さんなどからその辺のお話は聞いておりました。で、その2015〜6年くらいの段階で「うちで受注してた中国の案件は全部白紙になったよ」と。その頃から景気のいい箱物事業は全部アウト、と言うことだったんですよねえ。で、シンガポールの建築業界はその時期にすでに主な施工先をインドに移動させておりました。なのであの当時のことを考えたら今の中国の衰退は全く驚くべきことではありません。って言うか多分次はインドの時代。
ところで。
一応このブログは通販サイトの一部として機能しているはずなのですが。春先からコロナのおかげでアメリカー日本間の郵便事情が悪化。と言うか実質上停止。現時点でこちらから日本に送る方法はクロネコヤマトの一択、となっております。
去年の年末何となくごくらく亭さんと相談して仕入れてみたアメリカのお手軽ビンテージアクセサリーが思いのほかご好評をいただいていたので、「だったらアメリカのビンテージアクセサリーを探してきてもいいかな」と思っておりました。これだと送料はだいぶ安くなりますから、こちらも比較的気軽に日本に送ることができますし、お値段も抑えられるし、これは良いかも、と思っていたのですが、結局これも日米間の郵便が停止しているので今はちょっと無理か、と。そろそろ通販サイトを再開しようか、などと思ってはいるのですが、クロネコヤマトだとアクセサリーを送るにはちょっと送料が高くなりすぎる、と言うことで、再開するにせよしばらくはお皿とかが中心になるのかなあ、と。個人的には色々ご紹介したいものがあるのですが、もうちょっとコロナがマシになって物流がスムーズになってからの方が色々安全かなあ、とも思ってみたり。その辺はなかなか難しいところです。
あ、でも下のアクセサリーはごくらく亭にストックされておりますので、興味のある方はごくらく亭さんにお問い合わせください。
1920年代、アール・デコ期のガラスビーズの長いネックレス。
1930年代、ラインストーンのブローチ。
1974年発売、サラ・コヴェントリーのネックレス。
と言うことで今回は限りなく雑談レベルのお話をお届けしました。
皆様も夏バテにはお気をつけて。
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