エーゲ海に捧ぐ

皆様ご機嫌うぼんそわー(いきなりエセおフランス語)。あー、そう言えば昔おフランスの美術館にご招待を受けておフランスのいち工業都市にに行ったことがあってですねえ。フリーの時間に地元のアーティストコミュニティーみたいなのにお邪魔してですねえ、そちらのお子様にフランス語で話しかけられて、思わずジュネパパーレフランセーって言ってしまったらものすごいガッカリされたことがありましたねえ。正直すぎるのもいかがなものか。子供の夢を壊しちゃいけませんね。


と言うことで皆様いかがお過ごしでしょうか。ハタは肋間神経痛ですが、元気です。単なる肋間神経痛だと思ってはいたんですが、よくよく考えたら肋間神経痛が出てくる前の日、事務所の引っ越しだったんですよね。あの時になんだかんだで対して準備体操もせずに慌てて重いものを持ってしまったのを思い出しました。多分原因はあれか、と。と言うことで今週1週間は事務所にもいかずアパートで地味に作業をしておりましたが。


こちらはもうあっという間に秋でございます。気温も日中は多少上がりますが、それでももう30度あたりまで。日によってはもう25度くらい上がれば十分、くらいの気候になりつつあります。夜だとTシャツではちょっと肌寒いくらい。街を歩く人も少し秋の気配になってきました。昨日はいわゆる9.11でございまして、世界貿易センタービルの跡地から巨大なサーチライトを空に向けて投影する、というメモリアルイベントがありましたので、せっかくだからちょっと見に行ってみよう、と言うことで、川縁まで歩いて見に行ってきました。



まああの世界貿易センタービルの近くに住んでおられる方のお話を聞いたことがありますが、

あの日はたまたま留守にしていたので大きな被害はなかったものの、部屋の窓を数センチ開けていたので底から膨大な量の粉塵が入り込み、床に数センチ溜まっていた、とのこと。いろんな意味であの時から世界は大きく変わったなあ、としみじみしながら眺めておりました。


と言うことでこちらでは相変わらず地味な生活が続いております。一応9月末からようやくレストランの室内での営業が可能になるようですが、それでもあくまでもキャパの25%のみ営業可能、と言うことで、お店の人からしたらなめとんか、という状況で、とてもじゃないですが営業を維持できるような状態でもなく。このままいくとNYにあるレストランの半分が破産・閉店すると言われておりますが、ぶっちゃけ政治的には全くの無策でありまして、本当どうすんのこれ?と。


まあでも文句ばっかり言ってても仕方ないですからねえ。こうなったらハタも頑張って地元の経済に貢献しちゃうゾ!と言うことで行ってきました。超お洒落NYランチ。もうね、なんて言うんですか、ハイソサエティー、って言うんですか?社交界の花が集う、そう言う世界。いやーハタも随分と出世したもんですねえ。南京都の貧乏人からおニューヨークの社交界デビュー。だって南国のビーチでお食事ですよ?まあ優雅。プライベートジェット機なんで、コロナとか関係ないのですよ、おほほほほ。こんな優雅なランチ、数多いる海外出羽守でもここまでの高みに到達した人はおられないと思うんですよ、ええ。皆さんにも貴族の世界をお見せしましょう。


ほら皆さんご覧になって!

ヤシが生茂る海辺でランチですよ!


え?書き割り?何言ってるんですかこれは心の綺麗な人にしか見えない海岸なんですよ!


耳を澄ませば聞こえる潮騒が勝利の歌を歌います。ハタ、ついに成り上がりました。多分Yazawaくらいの成り上がり。いや、それ以上か?まさに王者の風格。海が見えるビーチで、パラソルの下で食べる高級なお食事。衛生基準もAランクで食中毒の心配もありません。まさに優雅の極み。安心はお金で買うのがNY式。アッパーライフ。アッパーライフ。アッパッパー。昔朝4時くらいに友達と話をしていてなぜかアッパッパーと言う言葉がツボに入りひたすら大爆笑してた記憶があるんですが、若いってすごいですね。若さってシャブかなんかですかね。


でまあ、優雅に海辺のビーチに設えた特設テーブルで待ってると、そこに褐色の肌のウェイターが恭しくハタをもてなしてくれます。見たこともない、エキゾチックなメニューにハタもうっとり。そう、こんな時にはメニューの中でも一番エキゾチックなメニューを選ぶのがハタの流儀。そう。こんな時にコンフォートゾーンにいるのはハタのお洒落ライフにはそぐわない。あくまでもエレガントに、ちょっと危険に身を晒すのが心地よい。メニューを眺めてずっと考えるのはクールじゃない。ハタはさっとメニューに目を通し、即座にウェイターに伝えました。


「この「おばあちゃんのパンケーキ」、いただけるかしら?」


隣は斎場だが気にしてはいけない


改めて見渡すと、生茂るヤシが涼しげな音を立てて風にそよいでいます。ああ、この音、エーゲ海のヴィラで聞いたあの音だわ、、、と南国のリゾートの思い出がハタの胸をよぎります。白い砂、青い海、美しすぎて怖くなってみたり、そしてレースのカーテン引きちぎり踊ってみたくなったりした、あの南国の日々、、、




よく見たら造花だが気にしてはいけない


あたいは海、、、そう女は海、、、


うぃんでぃずぶろーうぃんふろめーじあー(絶叫)


はいここまででハタの体力は80%消費されました。お疲れ様でした。

以下省エネモードでご紹介します。


ま、鈍臭クイーンズの超しょぼいダイナーに行って、道っぱたで飯を待ってるわけですね、現状。まあ色々探したんですが、「チャクラカフェと言う名前がきっつい」とか「ここはチャイナ寿司だしそもそもアウト」とか言って選り好みしてたらまあここが一番期待値低めだがリスクも低い、という妥協点をとった結果の選択なんですけどね。さしてうまいもんも出てこないだろうがパンケーキくらいなら大丈夫だろう、というアメリカン飯あるあるですね。


でまあすぐ脇を車がぶいぶい走るは5分おきに電車は轟音で走って行くわ、という何をどうしても落ち着きようのない環境で飯を食うわけですね、ええ。さっき風でパラソルが思いっきり倒れそうになってきましたので片足をパラソルの土台に置いて押さえながらのお食事です。そこでハタが待っているのはババアパンケーキですよ。ババアパンケーキって何よ。だったら熟女パンケーキとかもあるのか。なんだそのキャバクラは。北海道のキャバクラ「キャバクラ団地妻」とかの系列か。昔個別指導のバイトしてた時に、生徒さんに「夫人=Mrs」の説明をする時に、


「日本で夫人の説明をすると、、、ほら、「夫人」がつく有名人いるでしょ、ええっと、、、

イメルダ夫人とか、、、

デヴィ夫人とか、、、


かまきり夫人とか 」


って言ったら上司の先生に、「ハタ先生それはアウト」って言われました。

あの先生は本当いい先生だったわ。斉田先生、お元気ですか?


とか言ってたら出てきましたね、ババアパンケーキ。


メニューにはりんごの煮たやつとくるみが入っていると書いてあったんですが、

どこをみてもくるみが見当たらず。まあハタはあんまりくるみは好きではないので無くてもいいんですけど、あれですか、ババアパンケーキは内容物を入れ忘れるという痴呆症的な意味のパンケーキなんですか。それだったらまあなんて言うか、コンセプチュアル・アートとして楽しめますね、ええ。


まあ味は期待値よりは高いスコアを出してきたのでよかったです。って言うかまあ、単に甘かったからスコアが上がった、と言う可能性もありますが。それでもりんごのコンポートみたいなのが単に缶詰を開けただけ、みたいなのじゃ無くてちゃんとお店で作っている感じの味だったのが好感が持てます。パンケーキ部分も下手なのに当たると段ボール食ってるみたいなのに当たる時があるんですが、ここはちゃんと小麦粉使ってるじゃん、えらい!みたいな低レベルの高評価で非常に好感が持てます。基本的にお店の店構えのヤバさに比較すれば出てくるものは比較的まとも、という感じで、まあこれだったら選択肢がない時の最終手段としてはありかな、と言う感じ。


食べている間一匹の蜂がずーっとハタのパンケーキの周りをウロウロしておりまして。どうやらメープルシロップに鋭く反応したようなので、蜂さんにそーっとメイプルシロップの入っていた容器を近づけたら、喜んでその容器に飛びついて一生懸命シロップを舐めてました。いいのかそれで。


まあそもそもなんでここでお昼ご飯を食べることになったのか、と言うと、このお店の近くに面白そうなお店を見つけたから、なんですが。それは1966年開業のローカルなコーヒー豆屋さん。お店で焙煎している、れっきとした本格的なコーヒー屋さんなんですが。それが鈍臭クイーンズのど真ん中にある、と言うのを見つけて、これは行ってみよう、と。と言うことでババアパンケーキをキメた後にそのお店に向かいました。


まあね、ハタ、正直言いまして、コーヒーは飲むんですがこだわりはゼロなんですよね。別にペーパーフィルターでどうの、とか、コーヒー豆の種類がどうの、とか、全く気にしておらず。だって基本牛乳と砂糖どばどば入れて飲むだけだし。その段階でコーヒーお豆様の繊細な焙煎がとか香りが、とか、完全にどうでもよくなってるし。なんたってハタの理想のコーヒーはシンガポールの練乳入りコーヒーですからねえ。シンガポールのローカルコーヒーに至っては焙煎段階でまさかのマーガリン投入ですからね。でもまあ小洒落た気取った店なら絶対行かないけど、ローカルなお店は面白そうだし、というただそれだけの理由でして。


奈良公園に行ったらこう言うのが落ち(以下略)



とはいえその場で焙煎しているのを手に入れられる、と言うのはなんだかとても良さそう、と言うアバウトな感じで立ち寄ってみましたが、まあお店の人も割とアバウトでして。思ったよりもコーヒー豆の種類も限られており、あれもこれも扱ってててなんでもありますよ!というタイプのお店ではなく、限られた種類のものをきっちりと仕上げて地元のお客さんに提供する、という、いい意味で古いタイプのお商売をされている感じでした。話によるとここのお店はモカジャバが専門、と言うことらしいので、だったらモカジャバにしておくか、と言うことで買わせていただきましたが、お値段が近所のスーパーで売っている豆より3割近く安かったので、ああ、これならお客さんは来るだろうなあ、と。店の奥でおっさんが無意味にたむろしているあたりもクイーンズっぽくって好印象。


でもモカジャバってなんですか?

コーヒーの種類?それとも焙煎のスタイルの名前?



お店の看板が創価学会ルーマニアの国旗っぽいな、と思ってたんですが、よく調べてみると実際はコロンビアの国旗に近いようで。同じ配色の旗がお店にあったのですが、ただ旗の配色がコロンビアの旗と上下逆。どこの国の国旗なんでしょうか。豆は南米のようですが、お店自体は東欧〜中近東あたりの薄暗いヨーロッパの品物が並んでおり、その辺もクイーンズっぽくて楽しいです。まああのあたり、南米系というよりはユーラシア大陸のヨーロッパ系移民が多い地域ですので、その辺の人たちの要求を満たすために始められたお商売っぽいですね。最近こういうコーヒー豆から焙煎してます、みたいなお店はブルックリンにもいくつかあって、なんかおしゃれを最高に拗らせた感じの人たちが一生懸命コーヒーをテイスティングしてブレンドしてたりするんですが、まあケチャップと塩だけで生きてきた人たちにそんなに味の違いがわかるの?と思ったりしますが、まあそれ言うとアメリカの飲食業全てを敵に回しますから言わないことにしますね❤️


品物を見てみると案外中近東エリアの食材も並んでおり。ローズシロップとか、ヨーロッパでも使うんでしょうか。やっぱりその辺ヨーロッパと言えども中近東エリアと緩く繋がる地域なんでしょうねえ、と。



まあ、美味しいか美味しくないかはとりあえずどうでも良い、というか、まあ最低ラインを超えていたら個人的にはあとはどうでもいい、くらいの感じです。まあこんなもんは嗜好品ですからね。美味かろうか不味かろうが好き嫌いの範疇でしかありません。ですがこのお店。安い。近所のスーパーで売ってるコーヒー豆からしたら3割くらい安い。これで味がそこそこだったら十分にお買い得、と言えます。そう言う意味では非常に魅力的。いやー、いいところ見つけたわ、と思いながらお店を後にしました。



と言うことで、相変わらずの鈍臭クイーンズ探訪でございました。

鈍臭いって素晴らしい(うっとり)




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