完全なる飼育(後編)

と言うことで皆様ご機嫌麗しう。こちらは11月の末にもなってまだ日中の気温が15度、と、あれ?また暖かくなりました?みたいな感じでして。おかしいなあ、10年前だったらこの時期はもうすでに雪が1回くらい降っててもおかしくないんだけどなあ、と。実際ニューヨーク、ここ2年ほど極端な暖冬続き。もしかして今年も暖冬、となったら本気でちきう温暖化を疑ってかかった方が良いのかもしれません。


と言うことで。お犬様を探して。後編でございます。


でまあ、色々と探した挙句マンハッタンのペットショップではまともに取り合って貰えなかったのですが。まあ仕方ないですよねえ。競争率高いし、きっとどんな犬種でも需要があるから、ペットショップに来た子犬たちもあっという間に右から左に新しい里親が見つかるんでしょうねえ。


でもそれだったらいつまで経ってもうちに来てもらう犬も見つからないなあ、と。それはそれで困る。と言うことで、改めて初心に戻ってリサーチ開始。マンハッタンだったら電車で子犬に引き取りに行けるから、と言う理由で主にマンハッタンを中心に探しておりましたが、そこから範囲をぐっと広げまして。最悪レンタカーでも引き取りに行ける場所でもいいよね、ということでリサーチのエリアを広げてみました。


まあそしたら結構口コミの評価が高いペットショップが2件ほど見つかりまして。まあちょっと遠いといえば遠いけど、電車さえ乗り換えてしまえば全く問題なく行ける距離。だったらここに当たってみるのはどうでしょう、という事でホームページをチェックしてみましたら、あ、あの犬種の子犬が今そこにいるじゃないですか!と言うことが判明し。すぐに家人が電話を入れ在庫を確認。次の日に朝いちでそのペットショップに向かうことになりました。


ということで。

朝からクイーンズからさらに奥に行った、ロングアイランドという地域に向かいます。

有名なJFケネディ空港からもうちょっと行ったところ。閑静な住宅地です。地下鉄から途中で乗り換えるだけなので全く不便でもなんでもない地域ですが、まあ用事がなければ行く必要もなさそうな、アメリカの郊外によくありがちな穏やかな光景の街でございました。

アメリカの郊外とはいえやっぱり東海岸の文化圏ですね


家人が「ここの駅の近くにあるドーナツ屋さんが美味しいらしいからそこ行ってからペットショップに行こう!」と言うので、行ってみました。

本来だったら地元のお客さんで賑わっているであろうドーナツ屋さんもコロナのせいで閑散としていたのが残念な限りですが、それでもまだ営業しているだけまし、とも言えます。と言うことでドーナツを注文。ハタは季節の味わいであるパンプキンスパイスのドーナツを注文。

ゲロ甘。


ドーナツ生地は美味しいのにそれの味をかき消すだけの効果しかないトッピング。もうね、ほんと不思議。ドーナツも美味しい、クリームもちゃんとパンプキンの味がして美味しい。でも一緒に食べたらただゲロ甘いだけ。お互いのいい部分が相殺しあってただ甘いだけ。アメリカ人の味覚って、、、と朝からテンションが下がりますが、家人は喜んで食べておりました。さすがアメリカ人。


そこから歩いて5分ほどでペット屋さんに到着。やはりマンハッタンのちっこいペットショップとは違い、郊外なのでお店自体が大きく、その分子犬もたくさん扱っておられるようでした。実際お店もとても清潔で、マンハッタンのペットショップよりもよほどクリーンな環境で非常に好感がもてます。どの子犬も清潔で健康そう。もうこれだけでここまで足を伸ばした価値があったな、と言う感じでしたが。


犬の生簀。とれとれぴちぴち。各生簀に4〜5匹づつおり、かなりの数の子犬が意志の弱い人間をその可愛さで虜にしようと待ち構えております。でもハタは騙されませんよ。あなたたち、どんなに可愛いこぶってもうんこはするんでしょ。


マンハッタンで人にいじられ倒して半ばすれっからしになってしまった子犬たちとは違って、ここの子犬たちはどの子もみんな人懐っこく、ああ、あなたたち、スレてないわ、、、と。


でもハタは知ってる。その可愛さで人を誑かすつもりだろ!「僕たちアイドル!うんこしません!」みたいなアピールはハタには通用しないさ!



昔むかしそのむかし。

お釈迦様が生きておられた時に、とある富豪が自慢の美人の娘をお釈迦様に嫁がせようとしたことがございました。その時にお釈迦様はその娘に言いました。

「この糞尿に満ちた女が何だというのだ。私はそれに足でさえも触れたくない」

(出典:スッタニパータ)


お釈迦様マジひどい。


ハタもお釈迦様に倣いつつつ、「この子犬たちも全ては糞尿に満ちたもの」と心を無にしながら生簀の側を通り抜けます。その一方家人はさっさとお目当ての犬種の中から一匹を選び、生簀の脇にある子犬用接待部屋に移動。こちらで子犬と里親とのマッチングを確かめることができます。密室空間で行われる子犬と人間の睦ごと。それだけ聞くと隠微な匂いがしますが、まあでも実際は子犬のおしっこの匂いでしょうか(子犬が緊張しておしっこした)。

まあ、今人気のキャバプーやフレンチブルみたいに需要も供給もそれほど多い犬種ではないので、あれやこれやと選び放題!みたいな状態ではないのですが、運良く家人と子犬の相性も悪くない、と言うことで、よし、この子に来ていただこう!と決定。


決定の後は各手続きを済ませ、書類などにサインをし、お支払いを済ませ、必要なものを買い、30分ほどで終了。ついにやってきました、子犬様。



正直いいます。

犬って高いのね。


ごめんなさい、犬なんてそこらへんで適当にまぐわって生まれた子を適当に引き取って育てるもんだと思ってた昭和生まれのハタ。正直お値段見て思いました。


今ハタの腎臓売ってもこの値段がつくんだろうか


いや、一応実家にも犬がしばらくいた時期があったんですよ。今は姉夫婦が預かって育ててるので、実家にはもういないんですけど、たまちゃん、っていうシーズー犬がいたんですよ。犬なのに。

そのたまちゃん、ペットショップで4ヶ月売れ残って値段が1万円まで下がってたのを姉が目ざとく見つけてきたんですよね。なので本体価格1万円。ぶっちゃけケージの方が本体価格より高かった。


なので犬の値段見ても、「えっ、この子犬一匹でたまちゃん三十匹買えるじゃん!近所におすそわけできるよ!」とかついつい思っちゃうわけですね、ええ。


とはいえ。まあこう言うのもご縁ですし。

これから十数年、色々と可愛さを振りまいてお仕事していただくわけですから、その効果を考えれば月割りで考えれば下手すりゃうちの父親のタバコ代よりは安い。





犬種はソフトコート・ウィートン・テリア。

生後8周目の女の子です。


なぜこの犬種?と言うことなのですが。ま、最大の利点は毛が抜けない。なんちゃらプー、のプードルと他の犬種を掛け合わせる目的の一つが、プーの一族の血を入れることで抜け毛を少なくさせる、という理由だそうで。だったらプーの一族でなくても毛が抜けない犬種でよくね?と。


そしてこの犬種はいわゆる中型犬。小型犬は物足りない家人、でも大型犬は都会での暮らしにはちょっとしんどい、ということで間とって中型犬。それでも結構体力のある犬だそうなので、まあせいぜい頑張って散歩しましょうか、と。まあその辺はお犬様と協議を重ねつつお互いの妥協点を探りたいと思います。


名前はなんにしようかな?と思っていたのですが。犬種のウィートン(Wheaten)が「麦の・麦色の」という意味なので、


命名:むぎ


としてみました。

流石に安易すぎるか、と思ったのですが、家人が案外すんなりオッケーを出してしまい。まさかの正式採用。


と言うことで、これからむぎさんには頑張って接待のいろはを学んでもらおうと思います。












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