皆様ご機嫌麗しう。日本ではすでに梅も咲いて春の気配のようですが、こちらはまだまだ気温も低めでございます。とはいえふと空を見上げると青空に春の気配が漂っており、ああ、もう直ぐ春がくるなあ、と思いながら日々過ごしております。今年の冬はニューヨークでは珍しいくらい雪が何度も降りまして。ちょっとした雪国気分でしたが、ここ数日の雨でその雪もほとんど消えてなくなり。遅い目ではありますがゆっくりと春がやってくるようです。
という事で。相変わらずコロナだの出不精だので犬の散歩にお付き合いする以外には大して外出する理由もなく、近隣のスーパーに行くくらいがせいぜい、という地味な暮らしが続いておりますが。
そんな時家人がぽちっと言いました。
車買おっかな
個人的にはハタ、車はまああってもなくてもいいんですが。まあ今住んでいるのはニューヨークですし、ロサンゼルスと違って車がないと生きていけない、という感じでもないですからねえ。まああればあったで便利だとは思いますが。でもまあハタ、基本アメリカに住んでるのに免許持ってない、というものすごいレアケースなので、車を買う、という選択肢が自分の人生にありません。いや、一応努力はしたんですよ、ええ。ロサンゼルスにいる時に免許の試験は受けてますし、ペーパーテストは100点取りましたよ。ただ運転試験で試験の先生がものすごい黒人英語で何話してるかさっぱり分からんかった。で、その黒人の試験官から、「あなたもうちょっと人の話聞いてくださいよ」と言われ。
いやそれだったらあんたのその黒人英語なんとかして
って言ったらまあ人種差別って言われますよね。ああめんどくさ。
なんで、あ、無理だわ、これ、と。しかもハタが試験を受けなくてはいけない場所はやたらと不合格率が高いので有名なハリウッドのDMV。少なくともここの試験所で免許取得は無理だから、別の地域で試験受けるしかねーわ、と。いや、日本人がたくさん住んでる地域なら試験官が日本語で指示してくれますからねえ、ええ。さらに田舎に言ったら前進・後退・停車くらいで免許取れますからねえ、マジで。アリゾナとかの砂漠で練習して免許とるか、と。
とか言ってたらそもそも生活であんまり車を使わないニューヨークにきてしまった、と。
とはいえ。
今住んでいるアパートの真向かいが市営駐車場。月極で駐車スペースが借りれて、しかも市営なのでお手軽値段。自分のアパートから自分の車が見える距離に駐車できてしかも24時間管理人が常駐している、という、ニューヨークではちょっとあり得ないレベルの好条件。ブルックリンあたりだと基本車は路駐、ですから盗難の可能性も高いわけで、確かにこの立地条件を使わないでおく、というのもある意味もったいない。近辺は新築のアパートの建設ラッシュ。あと数年でこの辺の人口は倍増、となればどうせここの駐車場も取り合いになるのは必至。だったら今車を入手して確実に駐車場を押さえるのがなんであれ便利かもねえ、と。
という事で色々調べる事2ヶ月ほど。アパートから3駅ほど行ったところにある中古車のショールーム巡りをした結果。とりあえずお目当ての車種を決定。ただ家人の望む車種は近隣の中古車センターにはなく。で、調べてみるとニューヨークの市街地からおよそ80キロほど離れた地域の販売店にあることが判明。ちょっと遠いけど電車使って行けばなんとかたどり着けそう、ということなので急遽そこに向かうことに。
星だのハートだのが密集しているのが市街地ですね。そこからずばーんと東に。いわゆるロングアイランドと呼ばれる地域ですが、正直どんな地域なのか全く知りません。という事でハタ、ニューヨーク在住10年超にして初めての郊外へのお出かけ。所要時間2時間弱。意外と大した距離ではありません。
という事でまずは地下鉄に。最寄駅からマンハッタンとは逆の方向に向かいます。
まあこの辺は日常の範囲内。いつも通りの光景です。
コロナのせいで地下鉄に乗る人はだいぶ減った気がします。まあそもそも観光客が乗ってない、というだけでかなりスカスカ。朝9時頃でしたが閑散としておりました。
そしてそこから数駅。地下鉄からアムトラックに乗り換えます。アムトラック、まあ日本でいうところのJRでしょうか。日本とは比較にならないほどの貧弱な交通網の一つですが、それでも頑張ったらアムトラックを乗り継いでニューヨークから西海岸の端、ロサンゼルスにまで行くことが可能です。まあ3泊4日くらいかかるようですが、寝台車もあるそうなので、体力のあるうちに一度試してみたいところ。
アムトラックの電車がくるのを待つことしばし。
ニューヨークといえば高層ビルが立ち並ぶ大都会、というイメージですが、マンハッタン以外の地域は案外こういう平べったい土地にそれほど高くない建物がある、という感じです。
でまあアムトラックに乗り換えてそのまま小一時間ほど。日本のJRのように特別感があるわけでもなく。ただただ電車で都会とは逆方向に向かいます。乗っている人も数えるほどしかおらず。
電車に乗っておよそ15分もしないうちにこんな感じに。すでにアパートらしきものもほとんど見かけなくなり、住宅が立ち並ぶようになります。
さらに進むとどんどん空間が広くなり。
まあ気候は違えどザ・アメリカの郊外、という感じでしょうか。市街地にいるとこういう光景は目に見えてこないわけですが、その市街地からわずかの距離で一気に人口が少なくなるのがわかります。
日本から比べるとその辺本当市街地と郊外の差がはっきりしてますね。
まあぼんやりと外を眺めながら小一時間ほど。目的地までほぼ10駅、の8駅目、くらいでヒックスビル、という駅に。家人曰く、「ヒックスビル、というのは田舎の村、という意味だよ」との事。
まあ自称されているので田舎なんでしょうか。青森の田舎館村みたいな感じですかね。それでも都会と思われているニューヨークから小一時間ほどで自他共に認める田舎村に到着する、というのが意外ではあります。
そしてさらに進んで一旦電車を乗り換え、さらに奥に進みます。やはりだいぶ閑散とした地域にやってきたので、車窓からの風景がこんな感じに。大都会と言われるニューヨークですが、たかだか電車で1時間弱ほどでこんな自然に溢れた地域になるんですねえ。やはりその辺日本の感覚とは随分異なるような気がします。こういう風景をみるとやっぱり北海道とかの風景に近いよな、と思いながら見ておりました。まあ実際緯度を考えるとちょうどあの辺ですしねえ。
さらにどんどん進んでいきます。この辺になると一戸建てでもやたらと家がでかくなりました。
ほとんどのお家には馬でも飼えるんじゃないかと思うほどの広い庭がついています。それでも基本的には山のない平地なので、進んでも進んでも山深い、という印象はなく、ただ家と家の間が広くなり、まばらになっていくような印象でしょうか。まあ車があったらなんの問題もなく住めそうですね。上の動画の雑木林だって、夏になれば緑で覆われるわけですし、きっと住むにはとても良い環境のような気がします。まあ娯楽がない、といえばないのかもしれませんが、それでも車さえあれば小一時間かからずに大都会に行けるわけですから、そんなに不便というわけでもないですよねえ。ニューヨークの郊外、案外良さげ。免許ないけど。
という事で目的地の駅に。なんだか青森のローカル線の無人駅みたいなところにやってきました。
中央左寄りの小さな建物が駅の建物のようです。ついにここまできたか、という気もしますが、距離的にはたかだか60キロほど。日本だったらこのクラスの田舎感に到達するにはもっと長距離を動かないといけないような気がするのですが、やっぱり実際に体験してみないと分からないことはたくさんありますねえ。
まあ実際はここからさらに車のセールスマンの方にお迎えいただいて、そこから車で10分ほどのお店に行ったわけですが。そこからのプロセスはまあ大して面白いものでもなく。お目当ての車を見て、確認し、書類にサインをし、保険を確認し、、、的な事務作業をしていただき。お昼過ぎから作業を初めて4時間ほどで全ての作業が完了し、無事に納車となりました。ハタは免許なしのクズ人間ですので、そんな書類作業に関わることもできず。ただただショールームで暇を持て余しておりました。まあなんだかんだ言っても郊外かつ田舎なので、外に出て何かができるわけでもなく。近所にお茶する場所があるわけでもなく。
することなくなって変顔を始める中年男性
ちなみにハタ、どんな車がいい?って聞かれたら、
とりあえず動いてエアコンがついてたらそれでいい
という程度にしか車に興味がありません。高かろうが安かろうが、道具として人間とものが運べたらそれ以上の機能はあってもなくてもどっちでもいい、という感じですので、正直デザインとか色とか
割とどうでもいい。
なので基本家人の好みで決めていただきました。まあ運転するのは家人ですから。家人はロサンゼルスにいた頃にマツダの車に乗っていた時期もあったので、同じ会社の車なら割と感覚的に使いやすいんじゃね?とは思っていましたが、色々見に行った結果やはりマツダにしよう、という結果になりました。マツダ、アメリカでは結構堅調に売れてるようです。実際ホンダやトヨタも見てきましたが、あの辺の車からするとちょっとデザインの傾向も違うので、日本車だけどちょっと違うのが欲しい、という人にはちょうど良いのかも、と思います。
という事で帰り道は入手した車に乗って一路ニューヨークの市街地へ。時間的には1時間半かからない程度。やはり車で帰ってきてもそんな時間はかかりませんでした。
という事で、まあこれから車もある事だし、アメリカ国内をもう少し自由に動き回る事ができるようになりました。ハタ、実はニューヨークとロサンゼルスとアリゾナ以外、ほとんど他の地域に行ったことがありません。なので、これからチャンスがあればそういう本当のアメリカ、というのを見てみたいなあ、と思います。
0コメント