あぺまぴておぺぺぽうぽぱぴまぷ!
ということでやって来ました2020年。又の名を令和二年。皆様のこの一年がセクシーでグルーヴィーでありますように、という願いを込めて、今年一発目の曲はこれで行ってみようと思います。本年もよろしくお願いいたします。
ということでお正月がやって来ましたが、まあ今回のブログの内容はまだクリスマスです。
アメリカ人にとってのクリスマスは日本人のお正月とほぼ同意義、ということを以前お伝えしましたが。クリスマスの直前に家人がぽつりと言いました。ハムを買おう、と。
「クリスマスはハムを食べるのが習わしなんだよ」
ハムですか?まあハムくらいならいいですけど。どうやら家人の主張としては、「サンクスギビングは七面鳥、クリスマスはハム」なのだそうで。まあ去年の今頃はシンガポールから帰って来たばかりでそんなクリスマスっぽいこともした記憶がないし、一年経ってなんだか生活も落ち着いてふとクリスマスの光景を自分の生活に再び取り戻したくなったのでしょう。まあその気持ちはわからないわけでもない。なので言われたままにハムを買い、ハムの丸焼きに挑戦してみました。でもあれですね、アメリカってほんとなんでも丸焼きですね。
実際やってみたらそんなに難しいわけでもなく、オーブンさえあれば簡単にできますので、アメリカンなクリスマスをご家庭で再現してみたい方は一度トライしてみてください。
まずはハム。
アメリカのスーパーではそこら中で年中売られているハムの塊の中から、ブラックフォレストというタイプのハムを買ってみました。理由は特になし。調べてみたところ、ドイツスタイルのハムの一種だそうです。それに1センチほどの深さで格子状に斜めに切り込みを入れていきます。そして切れ込みが十字にクロスするポイントにクローブをプチプチと刺していきます。
この段階でなんとなく中世の拷問道具っぽくなって来ます。鉄の処女とか、苦悶の梨とかそういうイカした言葉が頭をよぎります。
で、このハムの上に缶詰のパイナップルを貼り付けて、ずり落ちてこないように楊枝などで留めておきます。今回なんとなくパイナップルの缶詰を買ったら輪切りのものではなく細かく切ったものだったので、とりあえず今回はハムの上に乗せていきます。
見た目はダメダメですが、これで準備完了。割と簡単です。これをオーブンで焼きます。
温度は普通に鶏を焼く温度で十分だと思います。ハムなんでとりあえず温度管理に多少失敗したところでもうすでに加工されていますから、七面鳥とは違いよほどの大失態を起こさない限り失敗はありません。
で、パイナップルの缶詰の汁とブラウンシュガー、はちみつ、シナモンを混ぜて、焼いているハムに時々かけていきます。要するに糖分で表面をカラメル化させていくわけです。一工夫加えたい方はこの洋酒とかなんかを混ぜるとさらに香り高く焼きあがるのではないでしょうか。
まあ七面鳥のように生の肉を焼くわけでもないので、ハムの中心の温度が何度にならないと衛生上良くないとか、そういう事は考えずに済みます。上記のタレをかけては焼き、出てくる肉汁をまたハムにかけ、という作業を定期的に15分おきくらいに淡々とこなし、適当にカラメル化がうまく行った段階でオーブンからおろします。なんだかんだで1時間〜1時間半ほどでしょうか。
アメリカ的なクリスマスのご馳走の完成です。なんていうんでしょうか。オーブンの中から肉の塊がどーんと出てくる、というのがやはりアメリカ的なご馳走のイメージなのでしょうか。では切ってみましょう。
おお、確かにこれはご馳走っぽい。
肉の塊をこれから食うぞ、という期待感がハムとハムの間から漏れて来ます。
プレゼンテーションとしてはかなりゴージャスで好印象です。
食べてみましょう。
うん、普通に美味しいハムですね。
まあでも糖分で表面を覆うので、確かに表面はややパリッと、中はジューシー、みたいな感じになり、ソースの甘さとハムの塩辛さ、そしてパイナップルの酸味でちょうど良い甘じょっぱさになります。確かにこれはこれで美味しいハムの食べ方ではあります。単なる飾りかと思っていたクローブもしっかりと仕事をしており、とても香り高く仕上がりました。今回は適当にマスタードを添えて食べましたが、ソースをもうちょっと凝ったものにしても美味しいかもしれません。クランベリーソースとか、アップルソースみたいなものを添えても美味しいと思います。どちらかといえば酸味の強めのソースが良いでしょう。
家人と共に分厚く切られたハムの塊を黙々と食べながらふと思いました。そういえば、この時期一昔前は日本でもハムを持ってくる人がいたなあ、と。
これ、スタローンは真冬の格好してますが、撮影場所はロサンゼルスですね。
昔のお中元・お歳暮というのは、まあ基本普段ご家庭では買わないようなちょっと特別なものを送る、という感じでしたが、そこになぜハムが入りこんできたのか、よくよく考えると不思議です。まあ昔はハムも高級だったのだとは思いますが、そもそもハムを大量に食べるという習慣のない日本人にいきなりあんなハムの塊を渡してさあ食え、というのも若干難易度が高い。ハム自体は年中製造できるもんですしねえ。季節ものでもなく。
そんなことをつらつらと考えていたら、もしかしたらお中元、お歳暮にハム、というというイメージ戦略はアメリカのクリスマスの風習(つまりクリスマスにハムを丸焼きにして食べるという風習)から来ているのでは、という気がして来ました。クリスマスにアメリカ人の多くが食べるであろうハム、それをお得意様に送って素敵なクリスマスを過ごしてもらいましょう、という発想であれば割とすんなり理解できます。ただアメリカ人自体は他人にハムの塊を送りつけたりはしませんが。アメリカ人そんな他人の事考えませんし。
で、ハムをいただいても日本人的には丸ごとハムをオーブンで焼くという発想にまでは至らないので、このコマーシャルのようにハムを厚い目に切って焼く、くらいが一番とっつきやすかっただろう、とは思います。そういう意味では非常に和洋折衷、というか、アメリカの文化を背景にしながらいかにしてハムを日本で売るか、ということを考えた結果かもしれず、その辺はなかなか興味深いところです。まあスタローンも「なんで日本人は年に2回ハムを他人に送りつける習慣があるのか」と不思議がってたとは思いますが。
まあ基本ハムですから、食べきれなくても冷凍保存も問題なくできますので、その辺も無駄がありません。今回焼いてみたハムも半分以上残りましたが、もれなく冷凍保存してスープの具にしたりサンドイッチにしたりして再利用可能。その辺は七面鳥よりは圧倒的にハードルが低く、オーブン料理初級者のハタのような人間にとってはちょうど良いオーブン料理ともいえます。
そしてハムの塊を食いちぎった次の朝。家人と少し離れた公園に散歩しに行きました。気分的にはお正月一日。年は開けていませんがなんとなく日本の元旦のようなのどかな空気が流れていました。
が。
まさかの売れ残りクリスマスツリー全廃棄現場に遭遇。
昨日までは結構ないい値段で売られてたのに一晩経ったらゴミ扱い。流石に近隣の方も勿体無いと思うのか、手で運べそうな小さなものを持って帰る方も。ハタもクリスマスツリーはもう遅いけれども、お正月の飾りにはなるのでは、と思い枝を何本かもらって帰って来ました。
まあ神道の世界ではこういうお供えする樹木というのは榊と決まってはおりますが、地域によっては榊の北限を超えている場所もあり、そういう地域では常緑樹を代用にしていたはず。だったらまあ、モミの木も常緑樹だし、代用としては十分いけるか、ということで。まあしめ縄の代わりみたいになってくれたらいいかな、と思ったのですが。
そこはかとなく香る狂気。
めでたいというよりかは結界のようなものができてしまいました。
若干禍々しい。
ということで改めて本年もよろしくお願いいたします。
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