ニューエイジでした(中編)



皆さまご機嫌麗しう。


まあ自宅待機も6週目を超え、さしてネタもないので過去の話を掘り起こしているのですが。

ゴールデンウィークの自宅待機中、皆さまのお暇つぶしになれば光栄です。


ということで、前編と後編にするつもりが、なんとなく中編を挟んで謎の三部作に。渦巻く陰謀、狂気、そして憎しみ。ニューエイジ世界に果たして平和は訪れるのか!


ちなみに、全てノンフィクションです。


ニューエイジといえばやっぱイルカですよね fet.ラッセン

イルカ(肉)


さて。ハタがニューエイジ的な手法による癒し効果に限界を感じた、というお話をしましたが。

今となってはもうスシ・ゲイシャ・イヤシ、くらいの順番で日本での揺るぎない地位を築いた癒し業界。実はその業種の殆どがとあるグループの人たちによって始められた、というのは意外と知られておりません。今日はその話をしたいと思います。


今を遡ることおよそ25年前。スピリチュアルという言葉やニューエイジという言葉が今ほど世の中に浸透していなかった頃。ハタは1浪して第一志望の大学入試にど失敗し、一度もその大学の為に勉強したことのない第5志望くらいの大学の論文入試で「ここの大学はアカだからアカっぽいこと書いとけ」と適当にアカっぽいことを書いたら本当に合格してしまったので、仕方なくそこに通うことになりました。


とはいえ大学生活。高校時代や浪人生活よりは華やかで自由です。親もある程度大人としての自由を与えてくれます。もう制服を着なくてもいいし、今まで行けなかった場所や地域にまでも(お金があれば)行っても良い。そういう空気はハタの浪人生活で荒んだ心をずいぶんと明るくしてくれたものです。


キネシオロジーの講習会に参加し始めた頃から、同時にそこに集う同年代の友人達も出会いました。

やはりある程度同じ興味を持つ人間同士ですから、すぐに仲良くなり、あちらこちらで会っては楽しくお話をする、という日々が続きました。まあ大学を超えたサークル活動のようなものだったかなあ、と、今となっては思います。


ただ普通のサークル活動と違ったことといえば、

周りの人間が全員ホーリーネームだった、ってことでしょうか。


講習会で知り合った友人たち。自己紹介の時にすっくと立ち上がり、


「こんにちわ!ボディサッタバ(菩薩)です!今日はよろしくお願いします」


みたいな感じで。

まあ普通はドン引きしますよね?ハタはその時どうしてたかというと、

内心ニヤニヤしてました。


うわーおもしれー、と。この頃からハタの邪悪な観察眼はすでに確立されていたようです。まあだから真面目なニューエイジ修行も無理だったんでしょうね。ちなみにキネシオロジーを日本に導入した予備校の英語のI先生。彼も予備校の外を出ると名前が変わりました。ちなみ彼はボーディダルマ、でしたよ。


ということで気が付いてみれば自分の周りは全てホーリーネームを持った人たちに。

ホーリーネーム。聖なる名前、とは?まあ世間一般、そしてハタと同じ年代の方だと例のオウム真理教の信者さんを思い出しますが、実はこのシステム自体はおそらく別のグループから借用されていたのでは、とハタは考えます。

そのグループとは。

そう、その当時ニューエイジ業界では泣く子も黙るOSHO(和尚)の信奉者です。もうこれはぶっちゃけカルト教団だと言って良いでしょう。教祖さまはOshoことバグワン・シュリ・ラジニーシ。そしてそのラジニーシ師から信者に授けられるのがそのホーリーネームだったのです。


その当時彼の書籍が本屋のニューエイジの棚にずらっと並んでいたのを今でも覚えております。思想的には禅とヨーガを中心にした新しい仏教、みたいな体裁で、確かアメリカ西海岸を中心にヒッピー達に爆発的に広がった思想でしたが、今となっては教団の腐敗を告発する映画なんかが発表されたりして、かつての隆盛はすでにないようです。


結局蓋を開けてみたら英語の先生もOSHO信者。そこに集まってくる人も全てOSHO信者。

そしてその人達から紹介してもらったバイト先の社長もOSHO信者。

ハタはなんとカルト教団コミュニティのど真ん中に潜り込んでしまったのです。


和尚違い


とはいえOSHOの基本姿勢は某日本の新興仏教教団のようなアグレッシブさはなく、基本的には来る人拒まず、去る者は追わず、という寛容な人たちでしたので、ハタが特に何かを強制されるということはなく。「えーハタ君も道場においでよー」くらいのカジュアルなお誘いを受けた程度。流石に行きませんでしたが。


そしてそうやってOSHO信者に会って話をしていると、ありとあらゆるホリスティック医学、およびヒーリングの技法が彼らから日本にもたらされている事がわかってきました。カラーセラピー、アロマセラピー、タラソテラピー、フラワーレメディ、レイキ、パワーストーンなどなど、、、、今日本であれほどまでに普及したこれらの癒しビジネスは、25年ほど前はカルトのお商売道具としてOSHOの信者を中心に海外からもたらされたものだったのです。当然キネシオロジーもその一つでした。当然多少の例外があるとは思いますが、これらの癒しビジネスの多くがこういうニューエイジのカルト集団によって始められた、というのは間違いのない事実だと思います。


そしてその信者達が憧れる場所。口を開ければあの都市の名前が出てきます。皆さんもお気づきかもしれませんが、あれですね、

インドのゴア


ですね。あそこに行けばありとあらゆる瞑想センターがある、とか、ありとあらゆる癒しのセッションが受けられる、とか、葉っぱが好き放題吸える、とか。


音楽のジャンルの中で一時期ゴアテクノ、というのがありましたが、どうやらこれはそのインドのゴアのヒッピーコミュニティの中から出てきたテクノ、という位置付けのようですが、まさにそのゴアテクノが生まれた時期くらいに、ゴアはOSHO信者の憧れの地だった、ということになります。ゴアに行き数々のスピリチュアルなセッションを受け、(葉っぱを吸い)より高次元の自分を見出して日本に戻ってくる、そんなサイクルをノマドのように繰り替えす人たちは、20年遅れてきたヒッピーの最後の残党だったのかもしれません。


当然ですが皆さん日本で受けられるスピリチュアルなセッションには興味津々。あそこの誰それさんがこういうセラピーの講習を受けて日本に帰って来たそうだからセッションをしてもらおう、とか、そういう情報が回ってきます。ハタも一度そういうものに参加してみた事があります。「最近肩こりがひどいんで、ちょっとセッション受けてこようと思うんだけど、ハタ君も行ってみる?」という事で当時のバイト先の社長と一緒にハタも行ってみましたが。行ったらパンいちにされてうつ伏せに寝っ転がって、なんか巨大な火のついたお線香みたいなので身体中を撫でられるという療法だったので、気がついたら爆睡してて正直肩こりにも効いたのかどうかはっきりとせず。まあリラックスはしてたんでしょうね。爆睡できたくらいですし。


施術が終わった後、その施術者さんがしみじみというわけです。その方は本当に真面目で温厚そうな、人間的には本当に素晴らしい人格者なんだろうな、と思うんですが。その方が部屋の隅に転がっている地球儀を指差してこう言うわけです。


ちきう


「今地球は危機を迎えている。私たちは何とかしなくてはいけない。だから、僕は地球の似姿である地球儀に、毎日癒しのエネルギーを送っているんです」



わあ❤️(曖昧な微笑)


真剣な眼差しのその方を前にして、なんでやねん、とツッコミを入れるわけにもいかず。科学が万能ではない、と言うことは分かってはいるけれども、波動が世の中を変えるかもしれない、けれども。

思わず「えっ?」と言ってしまえば彼の繊細な波動の世界は壊れてしまうのです。純粋が故に儚くも美しい世界救済の物語。ニューエイジ、まさにそれはガラス細工の世界でございました。



他にもこんな事がありました。

とあるOSHOの関係者の方が、鍋パーティーをしてくださるので、一緒に行きませんか?と。

貧乏学生のハタは、タダ飯ならどこにでも行く所存でございました。断る理由はございません。

大阪のとあるマンションに向かいました。お迎えしてくださったのは某百貨店の美術部にお勤めの方。窓から見える青い駿台のネオンが眩しかったのを今でもよく覚えております。


お鍋をいただけると言う事で、ちょっと期待していました。一人暮らしではなかなかできないお鍋。みんなで集まって食べるお鍋ですもの、きっと素敵なものに違いない、と。


まあ、OSHOの関係者の全てがそうかどうかは知らないんですけど、よく考えたらみんなベジタリアンなんですよね。結局お鍋でぐつぐつ煮えていたのは、

ただの野菜の水煮でした。


地球に優しいニューエイジの皆さんです。当然お野菜といえども一切無駄にはしません。

根っこも皮も全てぐつぐつ煮えていました。ハタは心の中の衝撃をこらえ、いい感じに茹であがったほうれん草の根っこをかじりながら、鍋の主催者のお話を聞いておりました。


鍋には似つかわしくない重苦しい空気の中、鍋の主催者が静かに語り始めました。


地球はすでに危機的状況にある。すでに侵略され始めているのです。


宇宙人に。


その侵略は秘密裏に行われているが、私たちは彼らの嘘偽りを信じるほど愚かではありません。

ここに証拠がある。


今や日本のいたるところに所在不明のパラボラアンテナが!


これこそが宇宙人が我々人類を侵略し始めている証拠だ。




まじっすか(いろんな意味で)


だが私たち心ある有志はけっして宇宙人の侵略を恐れはしない!

残念ながら日本の主だったパワースポットは全て宇宙人に侵略されてしまった。

だが最後の砦が残っている!

それは●●神社だ!あの神社にはまだ宇宙人の邪悪な手は伸びてきていない。

私たちはこれから、身を呈して●●神社を守らなくてはいけません!



まじっすか、、、(さらに2度目)




今となっては笑い話のネタですが。

ふと思います。皆さん、どうされてるんだろうなー、って。お元気でしたらいいなあ、と思うんですけど、今のハタには確かめようがありません。なぜなら、


本名わかんない。


あの時知り合った風変わりながらも純粋でまっすぐな人たち。

今でもご多幸をお祈りしております。


疾風怒濤の後半へ

























このブログをお友達に教えて、お友達も綺麗にしてあげましょう。イオナ。私は美しい。