皆さまご機嫌麗しう。こちらは相変わらずのNYはブルックリンでございます。
昨日あたりから急に暑くなり始め。ニューヨークの気候は日本にも負けず劣らず苛烈ですが、日本と違うところは梅雨のような時期がほとんどない、というところでしょうか。これから7月頃までは比較的爽やかな日が続きますが、その分5月の今頃になると突然気温が跳ね上がります。慌てて夏物の服を出したりしてこれからやってくる夏に備えます。
こちらもありがたいことに感染者数、死者数とともに大幅な減少傾向にあり、とりあえずほっと一安心ですが、自宅待機は絶賛続行中。すでに2ヶ月が経過しようとしております。よくよく考えればもう2ヶ月も外食したり食料品以外の買い物をしてないのだなあ、と思うと改めてびっくりしますが、まあ近隣のレストランでもうどうしても食べたくて仕方がない、と思えるほどのレストランがそれほどないので、まあいいか、と。ま、おいしいお店はちゃんとあるんですけどねー。でもまあ、やっぱりハタは日本人なので、慣れ親しんだ日本の和食の魅力とついつい比較してしまうわけで。確かにあのエルサルバドル料理屋さんも美味しいし、メキシコ料理も美味しいけど、やっぱり自分の文化からすると地球の裏側の味わいですからねえ。小さい頃から慣れ親しんでいる日本の醤油と味噌で茶色く煮しめた世界、というのとはちょっと違う。まあ日本食レストランがないわけではないんですが、ぶっちゃけ華人経営の似非和食屋。この程度なら自分で作った方がマシだろう、というよくわからない和食に高いお金を払うほど酔狂ではございません。
近所の落書きもこのご時世を反映
たかが2ヶ月、されど2ヶ月、ということで自宅待機もいい加減飽きて来た、というのが正直なところ。危機感で張り詰めていた3月頭はもうすでにとうの昔、今となってはある意味日常化してしまい、良かれ悪しかれ中だるみ。期限が来ては延長を繰り返し、いつまで経っても自宅待機は解かれないので、このまま家にいてても苔が生えそう、ということで先週からすでにハタと家人はすでに事務所通いを再開させました。事務所、と言っても倉庫街にある貸しスタジオの一室、なので人混みの中を通るわけでもなく、まして徒歩で行ける距離なので電車に乗るわけでもなく。だったらアパートに篭っているのとほとんど変わりないよね?と。今までは何が何でもロックダウン、で一切合切中止、でしたが、これからは経済も回しつつ防疫も考える、というフェーズに入るので、どっちにしたって活動は再開しないといけないわけですから、もうこうなれば自分自身でガイドラインを作って各自が自己責任で動くしかないな、と。
でまあ、じゃあそれぞれのガイドラインとは?という話になるのですが。まあいくつか実際の例をご報告してみたいと思います。ハタのアパートから歩いて20分ほど行ったところにある日本食スーパー。小さいお店なので人がいっぱい入ると三密状態。ということで同時にお店に入れる人は3人、というルールを作って営業されておられます。なので必然的にお店の前に並ぶわけですが。
まあ5〜6人並んでおられると待ち時間は15分ほどでしょうか。それほどストレスが溜まる、という状況でもありません。春から初夏ならまだ十分気持ちよく外で日向ぼっこしながら待ってられるのでその辺はソビエト時代の配給の列のような悲壮さはありません。
まあこうやってお店の人が入れてくれるのを待ってから入るわけですが、基本的に主だった対策というのはこの人数制限だけで、買い物自体は通常通りにできるので特に困難を感じるわけでもなく。お店の人もお客さんもそれほど危険を感じずに済む、という点ではこれも一つの対策、として日本の小規模な店舗では導入可能なアイデアなのではないでしょうか。これでお客さんもお店の人もマスクをしていたら、よほどのことがない限り想定外の事故、というのは起こりにくいような気がします。
そして今朝行って来たパン屋さん。
ここに至ってはもうお店自体を入店禁止に。その代わりお店のカウンターをお店の入り口にまで持って来てお客さんが外にいながらにしてパンを買えるようにしておられます。まあ確かにこのやり方だとお客さんは常に風通しの良い環境にいて、換気もバッチリですから、いわゆる3密の状況は避けることができます。カウンターだけ移動させてしまえば真冬はともかく3シーズンはこれで営業可、だと思えばこのアイデアはなかなか良いのでは、と思います。
とは言え基本的には自宅待機。ほとんどのお店はまだ閉まったまま。食料品を買うこと自体は問題ありませんが、それ以外のちょっとしたものを買うお店はまだありません。ということで道を歩いていてもどこかのお店に寄ってみましょう、とか、そういう事はまだできません。なので基本外出、と言ってもただ散歩する、くらいの選択肢しかなく。もともと散歩するのは好きなので、まあこれはこれでいいか、という気もしますが。先日は近所ながらもあんまり行ったことのないインダストリアルな地域をふらっと歩いて来ました。他にお店が開いているわけでもないので、ただ倉庫街を歩くだけ、でしたが、まあそれでも春らしいお天気のなか良い気分転換にはなりました。もともとハタが今住んでいる地域はブルックリンの中でも割と工場や倉庫などが近くにある再開発地域なので、昔の運河やレンガ造りの倉庫などがまだたくさん残っており、ウルトラモダンなマンハッタンとは異なる空気の街並みです。
今となってはほとんど使われていない運河。遠くに見えているのがマンハッタンの高層ビル群ですね
まあ本来なら春めいたニューヨークの風情をお届けしたいところですが、残念ながらちょっと外出するにせよ電車に乗ってちょっと美術館やセントラル・パークにでも、という状況ではありません。今年はなんだかんだで春の一番良い季節の時にずっと自宅待機だったのでなんだか春を満喫しないうちにいきなり初夏がやって来たような、そんな感じではあります。ああ、そう言えばマンハッタンにも2ヶ月行ってないんですね。地下鉄に乗ってませんからねえ。
ということで平日はアパートと事務所を往復し、時々買い出しに出掛け、土日は時々散歩をする程度、という超地味な生活が続いております。ただでさえもう立派な中年なのに、ここまで生活そのものが地味になると定年退職してすでに年金生活しているような気になります。中高年のおっさんが退職して暇を持て余した挙句にそば打ちなどを始め、やめときゃいいのに自宅で蕎麦屋を開く、という自滅一直線のルートがありますが、今の状況で暮らしているおっさんたちがなんかそば打ちとかに目覚めてしまう感覚はわかります。変に時間があるので追求しだすと止まらない。ちなみにハタが今虎視淡々と狙っているのは漬物です。きゅうりのQちゃんとか漬けてみたい。そしてせっかくだからスルメイカ の麹漬けとかにもチャレンジしてみたい。あ、でも生姜の甘酢漬けはすぐ作れるな、、、まさにばばあパラダイス。夢は広がります。
一応5月末にはニューヨークも都市封鎖が解かれるかもしれない、ということなので、あと2週間は地味に過ごしつつ、そのうち皆さんに楽しくもくだらない内容のブログをお届けできれば、と思っております。日本では大部分の地域が規制解除の方向で話が進んでいるそうなので、今のNYほどのきつい制限も特になく日常生活に戻れそうな感じではありますが、まあいつまた感染爆発が起こるかもしれませんから、日本でもお店を経営されておられる方は上記のような対策はいつでも取れるようにしておくに越した事はないかもしれません。
ということで日本の皆様はぜひ自宅待機解除をお楽しみください。
外はいい気候ですよー。
0コメント